ブーメラン芸に党内対立…民進党が本格的に訳が分からない件|やまもといちろうコラム

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Photo by Pixabay(写真はイメージです)
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 山本一郎(やまもといちろう)です。先日、無事退院したと思った親族が、帰宅した玄関先でコケて怪我して再び入院という事態に陥り、祝福しながら退院を見送った私の心に冷たい風のようなものが吹き抜けたのですが、年度末も元気に乗り切っていきたいと思っています。

 ところで、例の森友学園・籠池泰典さんの証人喚問からの辻本清美女史(56)への延焼が見事なブーメラン芸みたいになっていたのが気になっていたわけなんですけれども、いろんな騒ぎが民進党内にあるようで気になります。

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 先日も、民進党の原子力政策をめぐって党内調整なく蓮舫女史が突っ走ってしまい、騒動になるというネタがちょっとした騒ぎになったばかりで、党運営以前のところでの各種調整がなされないまま独立稼業のような各議員が好きに騒いでいるだけなんじゃないかと思うわけですね。

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 もちろん、国会議員ともなると選挙区に責任を持つある種の一国一城の主なわけですし、いくら安倍政権がいまなお高支持率であるといっても、実際に選挙予測をやってみると民進党は議席数を増やす結果が出てくるわけです。それもこれも、自民党には投票したくないという現状批判層の受け皿として、なんだかんだ野党第一党としての最低限の期待は持たれているということの裏返しでもあります。

 しかしながら、政党支持率は蓮舫女史が昨年9月に代表になって少し回復して2桁に戻ったと思ったら、また8%前後をうろうろする超低空飛行になってしまいました。政権交代以前の問題で、「自民党が嫌だから民進党」はあり得ても「民進党に強い期待を持つ」という有権者が増えないことにはなかなか大変なんじゃないかと思ったりもします。

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 そんななか、12日に開催された民進党の定期大会終了後に、民進党の重鎮・前原誠司さん(54)が素敵な発言をされていました。なんだ、現状についてかなりきちんと分かっているんじゃないですか。

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■民進党の行く末

 また、メディアでもかなり露出が増えてきている玉木雄一郎さんも、慣れてきたのか相応に発言が目立つようになってきました。自民党政権の代替として民進党が顔として立てる役者が増えていけば、それなりに勝負になるところまでいけるのでしょうか。

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 森友学園問題で安倍政権が解散に打って出る可能性はそう高くないのでしょうが、民進党についてはいまお金集めや支持母体との政策調整がかなり難航している状況にあるとも聞き及びます。実際に、民進党最大の支持母体である連合は、代表となった蓮舫女史との不協和音が目立つようになってきました。

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 実際、連合の周辺から直接話を聞くと、いろんな組織が集まってできている連合だからこそ、きめ細かな政策調整や打ち出すメッセージの影響を考えなければならないはずが、労働政策や経済政策ではむしろ賃上げ路線を明確に打ち出す自民党のほうが民進党よりも各組織内の支持率が高くなっているという現状があります。このままいくと「民進党と結託して政策実現する意味自体がないのではないか」という結論になってもおかしくないわけですよ。

 思い返すと、旧社会党(現社民党)が党勢を失った理由も、大きな支持母体であった労働組合からの三下り半を突き付けられて、文字通り離別してみたら得票することができなくなって、完全に泡沫政党になってしまったという経緯があります。まさに後ろ盾が無くなって党が消えてしまいそうな社民党と同じ流れに民進党がいくのだとすると、せめて座して死を待つよりは党を割る動きも出てくるかもしれませんし、リベラル新党のような立て付けを模索するか、あるいは民進党保守が党を出るかという流れにもなるんじゃないかと感じます。

 今の民進党を見ていると、議員の一人ひとりや党本部のメンバーはしっかりと考えを持った普通の良き社会人であるのに、組織になるとどうしてこんな体たらくになってしまうのか、不思議でしょうがありません。所詮その程度だから寝てて良いと割り切るのも一つの手ですが、そこで自民党にフリーハンドを与えて安倍晋三首相(62)にやりたい放題やっていただいた結果が、今回の安倍昭恵女史(54)のやらかしのようなスキャンダル群が『朝日新聞』に暴露されてしまうというくだらないオチになっていることは、有権者としてよく見ておいて良いと考えるのであります。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

やまもと氏がホストを務めるオンラインサロン/デイリーニュースオンライン presents 世の中のミカタ総研

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