国内にいる「中国人スパイ5万人」の正体

日刊大衆

国内にいる「中国人スパイ5万人」の正体

 工作員は、映画やテレビ、小説の中だけの存在ではないという。あなたのよく知るあの人も、もしかして…!?

 マレーシアの空港で白昼堂々殺害された金正男氏。大胆な手口もさることながら、注目を集めたのは外交官をはじめとした北朝鮮スパイの暗躍ぶりだった。「遠く離れた地にスパイが潜伏し、殺人まで犯す。それはマレーシアに限った話ではありません。特に、日本は“スパイ天国”ともいわれるほど、各国スパイが潜伏しているんです」(全国紙社会部記者)

 その理由を外交評論家の井野誠一氏は、こう語る。「日本はスパイ防止法などが未整備で、先進国の中で最も活動しやすいんです」

 中でも最も多いのが、中国人スパイだという。「日本は、中国による工作最重要拠点の一つなんです。というのも、全方位外交の日本には、米国をはじめ、世界中の情報と人が集まるからです」(前同)

『「対日工作」の内幕――情報担当官たちの告白』(宝島社)の著者でジャーナリストの時任兼作氏も、その実情をこう語る。「中国人スパイ網は、東京の中国大使館と、札幌、新潟、名古屋、大阪、福岡、長崎の総領事館が中継基地。さらに、全国に存在する中華街の世話役が補助基地となり、中国からの留学生、就労者、学者、文化人、果ては繁華街の飲食店店員、ホステス、マッサージ嬢までが支配下にある巨大ネットワークになっています」

 その数は実に3万人とも、5万人ともいわれ、「日本国内には、華僑団体として大手だけで6団体があり、その所属会員は約60万人。それらを統括しているのが中国の諜報活動の中心セクションでもある、人民解放軍総参謀部や情報局なんです」(前出の井野氏)

 さらに、中国人スパイ網を支える日本人の存在も。「首相経験者をはじめ、政権中枢幹部や一流企業の役員、芸術家らまで加担しています」(前出の時任氏)

 その最たる例が故・橋本龍太郎元首相だろう。1998年、中国政府関係者を夫に持ち、駐日中国大使館への勤務経験もある中国人女性との親密な関係が報道され、国会でも追及された。「彼は大蔵大臣だった90年、前年の天安門事件を受けて凍結していたODA(政府開発援助資金)を早々に解除し、26億円の援助を実施していますが、それも彼女の働きかけによるものでした」(時任氏)

 こうしたハニートラップに嵌る国会議員は少なくなく、親中派と見られる大物代議士も複数いるという。

「現在も要職に就く大物政治家の話です。日中交流の目的で北京を訪れた際、滞在先のホテルのバーで、ウエイトレスに売春をもちかけられ、自分の部屋に連れ込んでしまいました。すると約1時間後、彼女が部屋を出た直後に中国公安部の面々が部屋に踏み込み、摘発。中国では売買春は重罪です。しかし、政治家であり、訪中の趣旨であることから特別に不問とされました」(前同)

 こうした弱みを中国側に握られれば、その後は言うまでもないだろう。さらに、日本の国防を担う自衛官も、そのトラップにかかっている。「07年、二等海曹の自宅で、イージス艦搭載の極めて秘匿性の高いレーダーシステムなどのデータが入った記録媒体が見つかり、大騒ぎになりましたが、その海曹の妻が中国人でした」(同)

 基地周辺には、自衛官を狙う女性スパイが多く潜伏しているという。「中国公安局の息のかかったカラオケ店などで働く他、ターゲットが利用するスーパーのレジ打ちをして顔見知りとなり、雨の日に偶然を装って傘を貸したのを契機に接近するというケースもある。結婚もスパイ活動の一環です」(同)

 ちなみに、「陸上自衛隊で約500人、海上自衛隊で約200人、航空自衛隊は約100人が外国人妻を持ち、その7割以上が中国人」(同)だと言う。また最近は、沖縄県の米軍基地辺野古移設問題にも関与しているという。

「鳩山政権時代、辺野古の代案として、種子島西方約12キロにある無人島の、鹿児島県・馬毛島が検討されたことがありました。昨年7月には翁長知事が視察し、再び代案説が浮上しましたが、この島を中国が狙っているんです」(公安筋)

 この島の99%は、東京の建設会社オーナーが所有しているという。「数年前から、中国政府の息がかかったスパイ企業が、オーナーに接触しているという噂です」(前同)

 時価10億円の相場に対し、その企業は数倍の額を提示。万一、売買成立となれば、同島が中国の実質、“前線基地”になる可能性もあるという。また、中国人スパイの関与が噂される殺人も。

「中国で発行されている新聞の海外版を製作する会社の会長が、横浜のタワーマンション内で、散弾銃で撃ち殺された事件です。彼は中国のために動いていた、という噂がありました。犯人は別居中の息子で、殺害後、母と遺体を運搬する途中で逮捕されました」(前出の全国紙社会部記者)

 もう一人、事件に関わった人物がいる。被害者と深い仲だった女性だ。彼女にも工作員疑惑が……。

「彼女は事件直後、被害者の自宅を訪れ、息子、母親とともに過ごしていました。神奈川県警は彼女の身柄を拘束し、事情聴取を徹底しようとしましたが、警察上層部からストップがかかったといいます」(前同)

 というのも、被害者の隣室には政府要人が住んでいたというのだ。「官邸工作の拠点となっていた可能性が高く、事情聴取で絞り上げれば、政治スキャンダル、秘匿情報など、何が飛び出すか分からない。官邸からの圧力か、または警察庁が忖度したのか。捜査が尽くされないまま、幕が引かれてしまった」(同)

 また、経済界でも中国人スパイは暗躍。井野氏は、約10年前に発生した、大手自動車部品メーカー『デンソー』の情報漏えい事件の例を挙げる。「エンジン部門で設計を担当していた中国人社員が数年にわたり、13万件もの設計情報データを引き出し、中国に送っていました。その社員は、在日中国人の自動車技術者が集まる『在日華人汽車工程師協会』の副会長で、軍情報局に直結する技術者でした」

 だが、そうした素性を隠して来日し、大学で学んだうえで、デンソーに入社。「警察が自宅に踏み込むと、彼は隙を見てパソコンを破壊。確たる証拠が消え、不起訴になり、強制退去にさえなりませんでした。その後も出国せず、身分、姓名などを変え、新たな任務についているともささやかれています」(前同)

 さらに恐ろしいことに、企業のみならず、我々の個人情報さえも漏えいしていると、時任氏は指摘する。「官公庁、銀行、生命保険会社、クレジット会社などを顧客に持つIT企業の多くは、顧客情報のデータ入力業務を、人件費節約のため、中国の現地法人に委託しているんです」

 たとえば生命保険会社の場合、日本からPDFファイルで送られてきた手書きの保険申込書を見て、中国人たちが住所、氏名、生年月日から銀行口座にカード情報、手術・通院歴までパソコンに打ち込むという。「現地法人を監督する中国政府が、セキュリティ管理者に接触し、情報提供を迫れば、データの抜き取りも可能です」(前同)

 こうした事態は海外では考えられないという。「個人情報の取り扱いに規制をかけない国は、ほとんどありません。米国、中国は情報の国外持ち出しは禁止・規制しているし、韓国も規制する方向です」(同)

 時任氏が「警戒意識も対策も諸外国と比べものにならない最低レベル」と警鐘を鳴らす我が国。いつ何が起きてもおかしくないのだ。

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