嵐・相葉雅紀『貴族探偵』が11.8%スタートも”棒演技”に酷評相次ぐ
嵐の相葉雅紀(34)が主演を務める月9ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)が4月17日に30分拡大でスタートし、初回の平均視聴率が11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが分かった。毎クールのように低視聴率が話題になる月9で初回二桁を記録したのは3期ぶり。「月9にしては高視聴率」といえる好スタートとなったが、ネット上の視聴者の間では「主演の棒読みが酷い」「学芸会レベル」などと演技を酷評する声が続出。次回以降の数字が不安視される状況となっている。
■相葉の棒演技に「学芸会レベル以下」と酷評の嵐
同作は麻耶雄嵩(47)の推理小説「貴族探偵」とその続編「貴族探偵対女探偵」を原作に、1987年から始まった「月9」枠の30周年を飾る勝負作。貴族を名乗る謎の青年(相葉)が主人公であり、召使いに推理をさせて本人は何もしないという異色の探偵モノとなっている。
初回は女性探偵の高徳愛香(武井咲・23)が殺人事件に遭遇し、警察とともに推理をしている最中に「貴族探偵」が登場。高徳とどちらが先に犯人を割り出せるかを競い合うという内容だった。
相葉と武井がメインキャストとなるが、貴族探偵の師匠役の井川遥(40)、メイド役の中山美穂(47)、執事役の松重豊(54)、刑事役の生瀬勝久(56)、さらにスマホの秘書アプリの音声を仲間由紀恵(37)が担当するなど豪華メンバーが脇を固めている。その演技は「さすが」のひと言であり、文句のつけようがない。
また、人気小説の実写化ということで原作ファンの反発が心配されたが、こちらも「原作とは内容が違うけどコンセプトをしっかり踏まえてて信頼できる」「ここまで原作の世界観を再現してくれるとは」と好評。もちろん批判もあるが、おおむね脚本や演出は合格点以上といえそうだ。
ところが、肝心の主演を務める相葉の演技が批判の的になっている。
ネット上では「相葉くんの演技がヘタすぎてガッカリ」「可哀想なくらい相葉くんの棒演技が目立つ」「どう見ても貴族って感じじゃない」「ドラマ面白いのに相葉の大根演技で台無し」「よりによってなぜ相葉くんだったのか……」「相葉ちゃんの演技が学芸会レベル以下」などと酷評の嵐だ。初回は開始17分過ぎまで主人公が登場しないという異例の構成だったが、一部視聴者からは「貴族探偵が出てくるまでは良かった」という声が漏れてくる始末である。
「もともと相葉さんは演技が上手いイメージはなくバラエティ向きのメンバーですが、それにしても今回は目を覆いたくなるほど酷い。『貴族』というキャラクターを意識し過ぎたせいで役作りに失敗しているように感じられます。さらに演技派の豪華な脇役陣をそろえたことで、余計に相葉さんの演技が悪目立ちしている。そもそも貴族役に相葉さんが適任だったのかという疑問もあり、嵐のメンバーを主演に据えたいだけで起用してしまった制作サイドのキャスティングミスともいえそうです」(テレビ誌編集者)
■脇役の演技好評で…「主人公要らず」のドラマになる可能性も
これではいくら初回の視聴率が及第点となっても、次回以降は視聴者が離れてしまいそうだ。もし久々の初回二桁から急転直下、またも「月9最低視聴率更新」などという事態になれば悲惨である。
だが相葉の演技に問題があっても、視聴者を引き付け続けることは可能という見方もある。
「初回は主人公なのに相葉さんの出番が非常に少なく、その代わりに女探偵役の武井さんと刑事役の生瀬さんが物語の中心になっていました。この二人の掛け合いは『面白かった』と視聴者に好評。さらに癒し系の美しさを存分に発揮していた井川さんや召使い役の松重さんらの演技は見ごたえ十分でした。皮肉ではありますが、このまま『主人公がほとんど出てこない』というドラマにして、脇役陣が実質的な主役になれば視聴者の満足度は高くなりそうです。初回の異例の構成を見る限り、制作サイドは本当に『主人公要らず』の展開にするつもりなのかも……」(前出・テレビ誌編集者)
今年1月クールで元SMAPの木村拓哉(44)が主演したドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)は、物語の途中から脇役だった浅野忠信(43)演じる「マサオ」が実質的な主役になり、いわゆる”キムタクドラマ”と一線を画したことが視聴者に好評だった。スポンサーやメディア宣伝向けに人気ジャニーズタレントを主役に配し、ドラマ本編は演技派の脇役がメインになる……そんなドラマ作りの手法が今後のトレンドになるのかもしれない。
- 文・橘カイト(たちばな・かいと)
- ※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。