USJに押され続けるTDLの一気逆襲策 (2/2ページ)

週刊実話

しかし、値上げだけを見れば、USJは'17年2月から大人1日パスポート7600円と、TDRを上回る。しかも、8年連続値上げ。つまり、入場料の上昇だけがTDR入場者数に影響しているとも言い切れない」

 すると、他にも理由があるのか。
 「TDRは開園30周年となった'13年に入場者数3000万人を突破しており、前年の2750万人から一気に380万人も増加している。'14年は、さらに増えて3138万人。背景には、中国人を含めた外国人の来園者が爆発的に増えたことがある。しかし、これにより人気アトラクションなどは1時間半以上の待ちになるなど、大混雑ぶりに不満の声が多く聞かれるようになったのです」(同)

 TDRが想定を上回る増加ペースに対応できなかったことに加え、人手不足を背景にスタッフの確保にも手間がかかり、対応が後手に回った節もあるという。
 「一方のUSJは、'16年3月に設けた新型ジェットコースター『ザ・フライング・ダイナソー』が大人気。'14年導入の『ハリー・ポッター』は訪日外国人も含め国内外で強い集客力を持つ。加えて、AKB48の常設ライブ、『名探偵コナン』、『進撃の巨人』など、人気漫画コンテンツも目白押し。対してTDRは混雑疲弊を上回るような企画がなく、マンネリ化していたと言える」(旅行業関係者)

 しかし、冒頭の経営アナリストはこう言う。
 「30周年の後、一服つきながら値上げを続け、入場者減と言っても微減のレベルで踏ん張ってきた。そのため今、TDRが投資できる資金はかなり潤沢になっている。USJの活発な動きを見ながら巻き返しを図るべく、大規模投資に乗り出す計画をぶち上げたのです」

 かくして4月5日、TDLを運営するオリエンタルランドの加賀見俊夫会長、上西京一郎社長らが、新アトラクションの起工式を行った。
 「新開発エリアの目玉としては、現在、大ヒット中のディズニー映画『美女と野獣』の世界を体験できるエリアを設置し、映画の世界にドップリと入り込める仕組み。さらに'14年アカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞した『ベイマックス』の世界を体験できるエリアも新設されるという。アトラクション投資総額は約750億円。さらに、今や27位にまで落ちた顧客満足度(日本生産性本部調査)を挽回すべく、様々な回復策にも相当多額の資金を注ぎ込む方針です」(経済部記者)

 満を持しての新規投資で、再び右肩上がりになれるのか。

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