【プロ野球】最強左腕・大野豊は夢の跡…。河内貴哉の悲劇…。日本人左腕不毛の地・広島に左腕エースは現れるのか? (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■競合指名を経て入団した左腕・河内貴哉

 「左腕不毛」と言われる広島だが、ドラフトでは左腕投手を度々獲得している。そのなかでも際立った印象を残しているのが1999年に3球団競合の末ドラフト1位で獲得した河内貴哉だ。

 大型左腕・河内への期待は大きく、それは前年に引退した大野豊の背番号24を受け継いだことからも見てとれる。

 入団5年目の2004年に先発ローテーション入りすると自己最多の8勝を挙げ、オールスター出場を果たすなどブレイク。ついに左腕エース誕生と目されたのだが……。

 翌2005には、フォーム改造などの試行錯誤を繰り返すうちに不調に陥る。2008年には肩を負傷、その後、育成選手に降格してしまう。「広島の左腕は呪われている」と囁かれだしたのはこの頃からだ。

 その後、不屈の闘志で復活し、中継ぎとして活躍したが、左腕エースとなることなく2015年に引退。現在は球団職員としてチームの屋台骨を支えている。

 ほかにも、2007年のドラフト1位で篠田純平を獲得。2010年には6勝を挙げるなど、ローテーション投手として活躍するも、その後は伸び悩み2015年に引退。プロ通算7年で20勝と、左腕エースと呼ばれることはなかった。現在は、河内同様、球団職員となった。

 ドラ1左腕の2人が同時に引退するといった数奇な巡り合わせもあり、「呪われた左腕伝説」は加速していくのであった。

■2軍は逸材左腕であふれている!

 近年はすっかり「左腕投手不毛の球団」が板についてきた感はあるが、若手を見渡すと逸材が揃っている。

 特に注目したいのは、昨シーズンに1軍デビューを飾った3年目の塹江敦哉だ。150キロを超える剛球を誇り、本格派左腕として期待する向きが多い。また、2年目の高橋樹也は4月30日のDeNA戦で1軍デビューを飾った。高校ビッグ4に数えられたルーキーの高橋昂也も有望株だ。

 上記の3投手はいずれも高卒入団の投手。広島は高卒左腕の規定投球回達成者は1966年の大羽進以来、51年も出ていない。この不名誉な記録を彼らが絶ってくれると信じたい。

 真の黄金期、そして投手王国を構築するには左腕投手の台頭は必要不可欠。若手左腕たちが、「左腕不毛の地」に終止符を打ってくれる日を待ちわびている。

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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