フジテレビは次期社長で甦る?局内を萎縮させる”老害”で末期症状に

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フジテレビは次期社長で甦る?局内を萎縮させる”老害”で末期症状に
フジテレビは次期社長で甦る?局内を萎縮させる”老害”で末期症状に

「最初にこの企画を持って行ったのはフジテレビなんです。でも一発で蹴られました。(略)一週間もかからず、『ダメです』とだけ」

 嘆いたのは、数々の名作ドラマや映画を世に送り出してきた脚本家・倉本聰氏(82)(注1)。最新作『やすらぎの郷』がテレビ朝日で好評放映中だが、当初倉本氏は多くの実績を持ち、長い付き合いのフジテレビに話を持って行ったという。いま同ドラマは、時間帯トップにも度々なる人気だ(注2)。

 フジテレビの低迷が取り沙汰されてから、かなりの時間が経つ。毎クールごとに低視聴率を連発して視聴者や他局から嘲笑され、原因の分析もあらゆる角度から行われてきた。

「低迷を直視せずに、いつまでも昔と同じことをやっている」
「特定タレントと癒着して、数字も取れないのに使い続けてきた」
「視聴者より、会社の上層部しかみない社畜ばかりになった」

 ……などなど。倉本氏のような大功労者を顧みず、数字が取れる企画をみすみす他局に持って行かれたのも一例だろう。結果2015年上半期には、上場以来、初の営業赤字に転落し、2016年後期も前年同時期から減少。その後も、回復の兆しがなかなか見えてこない。

 2013年、“トレンディドラマの騎手”大多亮氏(58・注3)と競りつつも、映画『踊る大捜査線』の功績でトップの座を勝ち取ったフジテレビの亀山千広社長(60)。打ち出した改革のほとんどが外れた彼の責任を問う声は、どうしても大きくなっていく。ついには<今年6月で社長交代>のウワサや報道が、業界内外を駆け巡ることに。

■フジテレビの”ポスト亀山”を決めるのは……

 仮に亀山社長が退任するとしたら、最後まで競った大多亮氏(現・常務)が新社長に浮上か? と思ってしまうのは人情。実際にネット上では、「かつて女優・鈴木保奈美(50)と浮き名を流した大多さんが社長になれば、現在の鈴木の夫・石橋貴明(55)のとんねるずは窮地に陥るな!」などと、面白がっている。が、意外にも大多常務は蚊帳の外だと言う。

「亀山さんもそうだが、大多さんは芸能人みたいなもの。フジテレビのかつての派手さが、いまの時代にそぐわないから低迷している面もある。社内で取り沙汰されているのは大多さんじゃないです」(フジテレビ幹部)

 新社長候補はフジテレビの鈴木克明常務、フジ・メディア・ホールディングスの金光修専務……そして最有力候補として浮上したのが、フジテレビ・遠藤龍之介専務だ。あの芥川賞作家、遠藤周作(注4)のひとり息子であり、温厚な人柄で局内外から人望が厚い。ゆえに遠藤専務への期待は高まっている。

 とはいえ——。これも何度も指摘されているが、すべては日枝久会長(79)の一存で決まるのが現在のフジテレビ。1992年のクーデター(注5)による権力奪取以来、長きにわたって独裁を続ける日枝会長。社内を、グループを委縮させ、放送より政治(注6)に血道をあげる老害の存在こそ、フジテレビ低迷の元凶と指弾する向きは多い。亀山社長の責任以前に、日枝会長こそ潔く退くべきではないのか?

「会長が退く気配は全然ありません……。それに会長も社長も、先のスケジュールをどんどん入れている。社長交代があったとしても、6月より先になる可能性が高い」(前出・フジテレビ幹部)

 むろん恩義もあろうが、亀山社長は外される前に映画のように言うべき。

「低迷は現場で起こってるんじゃない。会長室で起こってるんだ!」

(注1)倉本聰…『北の国から』『前略おふくろ様』『昨日、悲別で』などで、知らぬ者はいない脚本家、劇作家、演出家。この発言は「週刊文春5月4日/11日号」より。
(注2)ドラマ『やすらぎの郷』…石坂浩二、浅岡ルリ子、加賀まりこの元夫婦、元恋人の出演で、シニア層を中心に話題沸騰。キャストが大御所ばかりなので、ギャラと健康が心配されている。
(注3)大多亮…『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』『愛という名のもとに』など数々のヒットで、トレンディドラマを確立した名プロデューサー。女優・鈴木保奈美と不倫関係になるなど、派手な私生活でも知られた。現・フジテレビ常務取締役。
(注4)遠藤周作…創作のベースにカソリックがあり、『沈黙』がマーチン・スコセッシ監督によって映画化されたのは記憶に新しい。
(注5)クーデター…フジサンケイグループのオーナーである鹿内一族に、日枝氏らが反乱。グループへの権限を奪い取った。
(注6)政治…日枝会長は安倍首相と親しく、またお台場へカジノを誘致することにも熱心。

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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