日韓家電メーカー 4K・8Kテレビ攻防戦 (2/2ページ)

週刊実話

4K・8Kの実用放送は'18年12月で、BS放送を中心に11社19番組が放送開始予定だが、BSを視聴するには、すでに4Kテレビを購入している人も新たにチューナーを揃えるしかない。しかも、地上派放送は4K・8K対応は無理とされている。BS放送しか視聴できないのに、わざわざ4Kテレビを購入するかどうかだ。

 家電販売関係者がこう解説する。
 「8Kは一部メーカーが製作しているが、まだ800万から1000万台のレベルで一般向けではない。当面、焦点は4Kとなり、確かに実用放送にはチューナーなどが必要ですが、価格が張るものではない。実用放送前に4Kが支持されるのは、4K受像機内に映像を高解像度化させるアップコンバートがあり、今の2K映像もフルハイビジョンで見るより圧倒的に鮮明に見える開発が進んでいるためです。50インチ以上は50万円以上するが、40インチ前後の型落ちは10万〜20万円台で購入でき、注目も高まっています」

 そのうえ、この4K戦争にさらに拍車をかける事態が起きている。液晶テレビより優れた「有機ELパネル」テレビの出現だ。
 「液晶テレビはパネルの裏からバックライトを光らせ、その光を調整して画像を見せる。対して有機ELは自発光でバックライトが必要なく、そのぶん薄く・軽く、そして省電力となる。映像面でも、特に動きのあるものでは、凄みと色彩に圧倒されるほどです。さらに、ここへ来て、これほどまでに有機ELが注目されているのは、従来では不可能だった大画面化が可能となり、50インチ以上でも投入ができるようになったからです」(家電メーカー関係者)

 この有機ELで大攻勢をかけているのが、韓国のLG日本法人。昨年から日本市場に殴り込みをかけている最上位モデルは、薄さ3.9ミリで、壁にもマグネットで張れるすごさだ。
 LGに対抗する日本勢の有機ELの筆頭は、何かと苦しい状況にあって今年3月、国内向けにREGZA 55X910を発売した東芝だ。
 東芝映像ソリューションの広報担当者はこう言う。
 「受像機の厚みは6.5ミリ。黒にこだわり、元々のコンテンツであるノイズを消したりする独自の超解像技術、また、肌色を自然に微調整する技術にもこだわりました」

 1月、ラスベガスで開かれた米家電ショーには、海外市場向けにパナソニックやソニーも有機EL新製品を発表しているだけに、国内向けの新製品発売も必至だ。有機EL戦争は韓国を加えて、シャープは'18年に家庭用8K商品販売に打って出る。制するのはどこか。

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