【プロ野球】野球があるところ、ウマイめしと夢とロマンがある! 今こそ読みたい『球場三食』 (2/2ページ)

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■野球とともに生活する日常

 こう書くと、『孤独のグルメ』の野球版? というとらえ方をされてしまうかもしれない。だが、本作の魅力はもっと先にある。球場グルメを通して、野球の愛し方・楽しみ方、野球とともに生活する日常を描いていくのだ。そして、随所に挟み込まれる野球知識や比喩表現にこそ、作者・渡辺氏の深すぎる野球愛がにじみ出ていて、読み進めるほどにクセになる。

 たとえば、西武ドームの座席配置や急勾配ぶりについて、《しかし料金の高い指定席のほうが余計に疲れるって理不尽じゃねーかとも思うが…》とつぶやく主人公。たとえば、札幌ドーム移転問題にからめて、わざわざ移転候補地の北広島の大地を歩く主人公。作者・渡辺氏もまた、北海道・北広島市を実際に取材したという。

 また、女子高生カープ女子の魅力を説明するフレーズが《まさにロードンの機動力とランスの破壊力のツープラトン》だったり、後楽園ホールとプロ野球の親和性を説明するのに《ここで収録が行われている「笑点」のカラフルな絵面と、かつて後楽園球場を本拠地にしていた日拓フライヤーズの「7色のユニフォーム」の類似性には驚くばかりだ》と綴ったりと、比喩がいちいち(いい意味で)古くて、オッサン野球ファンが思わずニヤニヤしてしまう。

 この作品、『アフタヌーン』誌上で連載が始まった当初は、「12球団の各ホーム球場を描いて終わり?」と思ったものだが、藤井寺球場跡地がテーマになったり、ナゴヤ球場などの2軍球場が舞台になったりと、まさに「野球のスタジアムすべて」が舞台になっていきそうな気配だ。実際、第3巻では全国各地のスタジアム遠征の様子が描かれる予定だという。

 野球があるところ、ウマイめしと、夢と、ロマンがある!

 そんなことを改めて感じさせてくれる、全野球ファンにオススメしたい野球漫画だ。交流戦の旅のお供にいかがだろうか。

文=オグマナオト

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