貧困に耐えかねて家出をしようと警察に相談した少年。その少年と絆を結んだ警察官の物語 (3/4ページ)
キャメロンくんがついかっとなり、母親と言い争ってしまうのは、こうした肉体的な苦しみが積もり積もっているせいもあるのだろう。そしてとうとう家出を考え始めたのだ。
シモンズ家の経済的な問題はすぐに解決できるようなものではない。しかしアチェッラさんはまだ13歳の少年がこうした環境にいることに心を痛めた。
彼は警官である前に一人の人間として、どうしても少年を見過ごすことができなかったのだ。・家具やベッドを持ち運んだ警官
そして数週間後、アチェッラさんは再びキャメロンくんの家を訪れた。机や椅子やテレビ、そしてクイーンサイズのベッドを持ち込んだ。さらにキャメロンくんに善意の人がくれたニンテンドーのWiiをプレゼントした。
このベッドでキャメロンはずいぶん体が楽になったという
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image credit:HLN/youtube
アチェッラさんはキャメロンくんに何かをしたいと思った。自分が彼にできること、目の前で苦しむ少年が幸せに成長できるために必要なことは何だろう?と思案して、行動を起こした。・困っている人に何かしてあげたいという気持ち
アチェッラさんは地元のテレビ局に知られるまでは、人目を引かないように気をつけていた。だが、インタビューに応じたことで、シモンズ一家を援助したいという人々が現れた。
彼は身近で助けが必要な人に出会い、自分の中にあるやさしさに従い正しいと思うことをした。
人はそれを偽善と呼ぶかもしれない。だが困っている人を減らすためには、思いやりを伴う誰かのふるまいが必要なのだ。