税制改正される株式投資による配当金の課税方式について専門家が解説!

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税制改正される株式投資による配当金の課税方式について専門家が解説!
前回、上場企業の株式の配当金の課税方式について、総合課税、申告分離課税、申告不要制度から選択することができると説明しましたが、この選択について、先日国会を通過した平成29年度改正においては、非常に大きな改正が実現しています。この改正は、国税と地方税でそれぞれ異なる方式を選択できる、というものです。
従来、国税で総合課税を選択していれば地方税も総合課税を選択する、といった話になっていましたが、今後は国税で総合課税を選択し、地方税では申告不要制度を選択するといったことが可能になります。

■地方税の申告はどうすべきか

この改正のメリットとして、地方税は配当金を申告しない方が原則望ましい、という話があります。地方税は、所得に対して10%の税率で課税されますが、上場企業の配当金は5%しか源泉徴収されていませんので、申告すれば差額の5%の税金が発生することになります。結果として、申告不要制度を地方税では使うことを前提に考えた方がよさそうです。

ただし、上場株式の譲渡損が生じれば、それは損益通算の対象になりますので、国税も地方税も申告分離課税を選択した方が望ましい可能性が大きいです。

■改正の趣旨は明確化

ところで、このように申し上げると、次回(平成30年3月15日期限)の確定申告からこのような有利不利選択が可能になると思われるでしょうが、この改正については、「規定の明確化」と解説されています。明確化ということは、従来から大丈夫だったものについて、それが大丈夫であることを明確にする、という意味がありますから、実は過去からこのような選択ができたのです。

平成29年度改正については、平成28年12月に出た税制改正大綱でアウトラインが示されており、この改正についても税制改正大綱に明記されていましたので、前回(平成29年3月15日期限)の確定申告から、このような申告が認められていました。このため、対応が早い方は、前回の確定申告で住民税は国税に関係なく申告不要制度を選択した、という対応が見られたのです。

■更正の請求はできない

このように申し上げると、過去から大丈夫だったのであれば、前回と言わずそれ以前から住民税の申告をやり直したい、という話を耳にします。しかし、このような選択は住民税の申告時点で行わなければなりませんので、遡ってやり直すことはできないと考えられます。割り切れない部分もありますが、次回の確定申告から、慎重な有利不利選択を行うべきと考えられます。

専門家プロフィール:元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。実質完全無料の相談サービスを提供する。

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