半世紀前の「半獣半人」論争!話題になった「サル娘」

まいじつ

半世紀前の「半獣半人」論争!話題になった「サル娘」

「大物スター来日!」。こんな文字を見てウキウキすることも少なくなった昨今だが、いまから41年前の1976年7月29日に来日した、あるとんでもない大物…と言えば、あの『オリバー君』だ。

オリバー君は人間とよく似た外見を有しており、2本足で歩いたり、タバコを吸うことができた不思議な生物。「ヒトとサルの混血種」、「人類の祖先」などと騒がれ、一世を風靡した。

来日前から女性誌でお見合い相手が募集されたり、ダイヤモンドホテルのスイートに宿泊したり、「オリバー君の子供を出産したら1000万円の報奨金がもらえる」という喧伝に、実際に数十人の女性が応募してきたりと、とにかくものすごい騒動となった。

ところが特番テレビ番組放送の翌日、朝日新聞に「オリバー君の染色体の数を調べた結果、ホントはチンパンジーだった」という記事が掲載され、一気にトーンダウン。天下の朝日新聞が社会面でトップ扱いしたのだから、この騒動を仕組んだ人々はさぞ、ほくそ笑んだことだろう。

そんなオリバー君騒動の6年も前の1970年、『週刊少年キング』に掲載された『半獣半人マリア』のことはご存じだろうか。以下はその記事を抜粋要約したものだ。

《アマゾン川の上流に、サルか人間かよく分からない生き物がいるらしい。そんなウワサを聞きつけたブラジルの週刊誌『ラ・マンケーテ』のある記者がアマゾン奥地のジャングルに向かった。出発から6日目、文明社会から遠く離れた未開の部落にたどり着いたとき、驚くべきものを目にしたのだ! 下アゴがそげたように短く、上アゴは前に突き出し、口は耳近くまで裂けている。目は左右にひどく離れて、無残なシワの中で光っていた――。》

《「ついにサル娘を見つけたぞ!」大声で叫ぶ記者の前へ、ふいにひとりの女が立ちはだかった。「マリアは猿ではない。人間です。わたしの子です!」。サル娘の母、ジェーズスだった。

ジェーズスの話によると、13年前に彼女は父の分からない子を産んだのだが、その赤ん坊は腹と背、特に下半身に真っ黒い毛が一面に生えていて、顔はサルを想像させる醜さだった。ウワサは村中に広がり、「なんて罪深いことだ。あの女はサルの子を産んだのだ!」と村人たちは騒ぎ立てたが、母は醜いその子を必死で育てる決心をするのだった。

そんな彼女に同情して、彼女を愛する坑夫が現れた。だが、サル娘と暮らすのだけは嫌がったので、母はジャングルのなかに小屋を作り、そこに毎日欠かさず食べ物(大蛇の生肉)を運び、育てたのだ。

母が帰ろうとすると「キ~ッ!」と叫んで、サル娘の目から光るものがス~ッと流れ落ちるのを見逃さなかった…》

こんなふうに、記者は悲哀的に描いている。

少年キング編集部は記者の手記に加え、科学評論家の意見を掲載し、「遺伝子が変異を起こしたために、サルの状態に戻っているのだろう。すなわち、人間がサルに帰った『先祖帰り』だ」と結論付けた。

果たして“サル娘”は本当に存在したのだろうか。彼女のその後の幸運を祈らずにはいられない。

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