秋津壽男“どっち?”の健康学「布団とベッド、どっちで寝るのがいい?衛生面、健康面などで違いを比較」 (2/2ページ)
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もちろん布団には「移動が楽」というメリットがあり、ベッドには部屋を狭くする、というデメリットもありますが、以上のとおり、健康面でもベッドに軍配が上がります。
しかし、全ての面においてベッドが優れているとは言いきれないケースもあります。例えば、コイルマットは腰に圧力が集中し、腰痛を悪化させることがあります。かといって、柔らかいマットだと体が沈み、腰に負担がかかります。
人間は熟睡していても「どの範囲まで動けるか」という寝返りの可動域を意識しています。そう考えると動きを制御されない布団のほうが熟睡できるとも言えますが、この点でオススメなのが、「高さが簡単に変えられるベッド」です。これならば、ケガをしない高さに調節できますので、安心できるでしょう。
昔は毛布の上に重厚な掛け布団を使用していましたが、現代のベストは薄手の羽毛布団です。羽毛布団は空気を遮断することで体の熱を吸収してくれるため、冬でも暖かさを感じられます。また今の時期でも暑さを遮断してくれるため、真夏でも効果が期待できます。もう一つ、朝まで同じ体勢でいると疲れが取れなくなりますが、羽毛布団は動きやすく、体に負担をかけないのでオススメです。
まとめると「通気性がよく、コイルのマットを入れず、硬くて薄いマットを入れ、高さが変えられるベッドに羽毛布団」で寝るのが理想的です。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。