猪木の愛弟子が“IGF騒動”を激白「闘魂だけは汚せない」

日刊大衆

猪木の愛弟子が“IGF騒動”を激白「闘魂だけは汚せない」

 昨日までのエースが一転して退団……いったい何があったのか。突然の騒動に巻き込まれたレスラーの熱い思い!

 “燃える闘魂”アントニオ猪木参院議員(74)が、騒動の渦中にある。なんと、自身が2007年に立ち上げた団体『IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)』と猪木氏が対立しているのだ。

「13年の参院選で政界に復帰した猪木さんはIGFの経営から手を引いたものの、31.5%の株式を保有する筆頭株主。その猪木さんが5月25日に格闘技イベント『ISM』の開催を発表し、“IGFは整理する”と発言したことで、確執が表面化しました」と、専門誌ベテラン記者が解説する。

「両者の対立は、実は今年1月の株主総会から。2月にはIGFの経営方針や資金に不透明な点があるとして、猪木さんサイドが会計帳簿等閲覧・謄写請求を行っています。また、6月には現経営陣の解任を求める仮処分を東京地裁に申請しています」(前同)

 そんな折、IGF唯一の所属レスラーでエースの鈴川真一(33)が、6月29日にIGFを電撃退団。その足で猪木氏の元を訪れ、土下座して詫びたニュースは大きな話題となった。「IGF、NEW(IGFが新設した新ブランド)には猪木イズムも闘魂もありません。経営陣と一緒に猪木会長に弓をひくことは死んでもできません。今まで会長の闘魂を背中に背負って戦ってきましたが、闘魂を忘れている事務所を辞めてきました!」と報告して土下座。

 これに対して猪木氏は、「鈴川には俺が詫びなきゃいけない。IGFは方向性が変わってしまった」と応じ、がっちり握手を交わしたのだった。

 渦中の鈴川が語る。「会長がいた頃のIGFは会長の“いつなんどき、誰の挑戦でも受ける”という言葉通り、本物の戦いの場でした。僕がジェロム・レ・バンナとやった試合(11年4月28日)なんて、ゴング5分前までルールさえ決まってませんでしたから。そういう、ヒリヒリしたところがあった。それが、ここ1年で、すっかり変わりました。本来、IGFの監査役にすぎないY氏が実権を握るようになってからです。“俺は裏の人間。表には出えへん”と、裏から会社を動かすようになったんです。気がつけば、背広組がレスラーはもちろん、リングを設営する裏方さんたちも、ないがしろにするようになっていました」

 昨秋、NEWが立ち上げられたときも、鈴川ら選手たちは事後承諾。何の相談もなかったという。「IGF監査役のY氏は大阪の実業家で、政界復帰した猪木氏が、IGFの経営から離れると、影響力を行使するようになったそうです」(プロレス誌記者)

 鈴川が話を続ける。「NEWは今年4月に旗揚げ戦を行いましたが、実は、自分はずっと、契約書に判子を押していなかったんです。違和感と不信感があって……。そんな状態でリングに上がっていたんです。それでも“猪木会長のため”と言われ頑張ってきたんですが、ファイトマネーを4分の1に値切られた選手もいたり、裏方や若手選手に食事の用意がなく、自分がコンビニ弁当を人数分、自腹で用意したこともあって。本当にエースだと思っているのか、と」

 エースとしての責任と会社への不信感の間で揺れ動いていた鈴川だが、退団の意思を固める。その直後の6月28日に行われたIGFフロントによる抜き打ち尿検査が、最後の決め手となった。

「あの日は、対戦カードの件で午前10時に会社に来てくれ、と言われていました。40分ほど待たされ、自分はトイレに行ったんですが、その直後に“尿検査をやってくれ”と言われたんです。拒否すると、“なんで受けないのか”と、出そうと500ミリの水を3~4本飲まされ、気持ちが悪くなって戻してしまった。それで、弁護士の中山雅雄先生に連絡したんです」

 鈴川は大相撲出身で、若麒麟の四股名で活躍し、最高位は幕内9枚目。だが、09年に薬物を所持していたとして現行犯逮捕され、現役引退。執行猶予つき有罪判決を受け、10年にIGFに入団した経緯がある。そのため、不定期で抜き打ち尿検査を行ってきた、というのがIGFの主張だ。

 中山弁護士が言う。「大量の水を飲み、嘔吐するような状態だったのに、応じなければ解雇すると強制された尿検査は、人権侵害の疑いが濃厚です。当初、IGFは公式HPで、鈴川選手の退団を“笑顔で送り出したい”と円満退社を強調していた。しかし、彼が猪木会長に会ったと分かると、一転して“任意の尿検査を拒否した”と発表した。鈴川選手にダーティーな印象を与えようとする悪意は明白で、名誉毀損に該当しうるものです」

 気持ちが退団に傾いており、そこまでの思いをしてまで、IGFに残る理由はなかったと、鈴川は語る。

「IGFを辞め、非常にスッキリしました。猪木会長に呼んでもらえたら、どのリングでも馳せ参じます。初めて猪木さんに会ったときのことは、今でも鮮明に覚えてます。“ウチでやりたいのか?”と聞かれ、“やりたいです!”と即答すると“迷わず行けよ。行けば分かるさ!”と。とにかく猪木会長はすべてにおいてスケールが違う。あるとき、エレベーターに猪木会長と2人きりで乗っていて、僕がボタンを押すと、いきなり会長が後ろからバァーンとビンタして、こう言ったんです。“鈴川、分かるか。ライオンがインパラを襲う間合い、距離だよ。ムッフッフ”。“気を抜くな”ということなんでしょうが、びっくりして、感動しました。闘魂だけは汚せない。今の3倍でかくなって、次のリングに上がります」

 IGF側に取材を申し込むと、騒動について、「非常に残念です。双方の誤解が、このような状況を作っていたと思います」との回答があった。はたして、鈴川の願いが叶い、リングに上がる日はいつになるのか? 新たな闘魂を見せてほしい。

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