フジテレビが発した”非常事態宣言”に失笑の嵐「因果応報、何を今さら」
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フジテレビ
視聴率3冠王の面影はどこへやら。フジテレビが9月4日、10月期の番組改編発表会見を実施した。その席で立本洋之編成部長が「非常時」「真摯に」と言葉を並べて現状の苦しさを語り、一部スポーツ紙からも「非常事態宣言」と報道されるなど、フジの焦りが丸見えだ。そんなフジに対し、長年動向を見てきた視聴者の間で「因果応報」「何を今更」「まずは院政を敷いている権力者を取り除かないと」などと批判や失笑の嵐が吹き荒れている。
■フジ編成部長が非常事態宣言…2011年の韓流偏重疑惑から低迷続く
2015年に開局以来初めての赤字を記録するなど、近年低迷が続くフジ。4日の会見では「“reboot(再起動)”」をテーマに掲げて、立本編成部長が「フジテレビが得意な若年層を中心に、他の層にも広げていきたい」と目標を語り、2018年の改編も見据えて中長期的なスパンで動くことを明らかにした。
フジに焦りが見える大きな原因は、視聴率の深刻な低下だ。週間平均視聴率では、好調のTBSと日本テレビのみならず、時にはテレビ東京やテレビ朝日にも負けるなど民放最下位に屈することもある。果ては一部メディアで会社の身売り説が飛び出すなど、抜き差しならぬ状況だ。
そんなフジの凋落の一因は、6年前に遡ることになる。フジが韓国系コンテンツを頻繁に放送していた2011年7月、俳優の高岡奏輔(35)がこの動きをツイッターで批判。その後、当時所属していたスターダストを解雇される憂き目に遭った。
するとSNSやネット掲示板で視聴者の怒りが爆発し、スポンサーの商品の不買運動や抗議デモが発生する事態に。さらに岡村隆史(47)やビートたけし(70)が同騒動に対して「嫌なら見るな」と主張したことで、視聴者のフジ離れが加速。フジは2011年9月、韓流偏重疑惑について見解を示すも、視聴者の理解を思うように得られなかった。
「この騒動で、フジの信用が一気に失われた。おまけに2010年代からネットの動画配信サービスが急成長を遂げ、テレビ離れする若者が増えている。とはいえ、他局は今も要所要所で視聴率を稼いでおり、フジだけが取り残されている状況だ。2011年の騒動でもっと真摯に対応していれば、こんな大ケガをしないで済んだかもしれない」(報道関係者)
一部スポーツ紙で4日の会見の内容が報道されるや否や、視聴者からは「何を今更」「因果応報」「rebootとか言ってるうちはまだダメだろうな」「スマスマをあんな形で終わらせ、スマップとスマップファンを裏切った罪は絶対拭えない」「まずは院政を敷いている権力者を取り除かないと」「めちゃイケととんねるずは切らないとダメだろ」と批判や失笑が噴出している。
徹底的にブーイングを受けるようになった背景には、フジの制作現場の責任も多分にありそうだ。
「フジ凋落の要因として、制作スタッフの力量不足も挙げられ、ここ数年間にわたる番組の質の低さは深刻。『ワイドナショー』(フジテレビ系、以下同)など報道系の番組では事実確認を怠って誤報を連発。『めちゃ×2イケてるッ!』などバラエティでは視聴者が不快になる企画を展開している。また連ドラでは、脚本・演出の力量不足が目立って爆死し、香里奈(33)や真木よう子(34)、桐谷美玲(27)、鈴木保奈美(51)などがキャリアに傷をつけられた。西内まりや(23)に至っては、休業に追い込んだ節すらある。とにかく、全方位的に救いようがない。唯一、長年安定した数字をキープしているのは『サザエさん』、『ちびまる子ちゃん』、『ワンピース』などアニメだけ。アニメが好調な理由は、ジャニーズなど大手事務所との癒着が少ないからだろう」(前出・報道関係者)
過去の栄光を取り戻すべく、再生を目指すフジテレビ。新たなヒット番組を生み出すことはできるのか。そして一度失った視聴者の信用を回復する日はやって来るのだろうか……?
- 文・真田栄太郎(さなだ・えいたろう)
- ※1978年神奈川県出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ダークサイドリポート』(ワニマガジン社)、『週刊宝島』(宝島社)、『Hot Dog Press』(講談社)などに寄稿。現在は週刊誌の記者・編集者として事件、芸能取材に奔走する