フジテレビ『27時間テレビ』批判も称賛もない歴代ワースト2位視聴率で終焉か
9月9日〜10日にかけて放送された『FNS27時間テレビ にほんのれきし』(フジテレビ系)の平均視聴率が、8.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区・以下同)だったことが分かった。これは、昨年放送『FNS27時間テレビフェスティバル!』(同)の7.7%からの微増であるが、歴代ワースト2位という記録となっている。
今回は従来の『27時間テレビ』の放送で軸となっていたお笑いの要素を極力排除し、楽しく歴史を学べることがコンセプトとなっていることが事前に伝えられていた。
「歴史をテーマにした割には、やや中途半端な内容だったようで『もう少し踏み込んでほしかった』『少し物足りなさを感じた』などの印象が否めなかったという声が少なくないようです。ただ、これまでに比べれば批判の声も称賛の声も少なく、単純に世間であまり話題にもなっていなかったという見方をする関係者もいます」(芸能記者)
新機軸で迎えた今年の『27時間テレビ』だが、実際にフタを開けてみると見事に“肩すかし”であったという声があがっているようだ。また、ネットでの動きも今回は薄かったのだという。
「例年放送中には、TwitterなどSNSの“トレンドワード”として、番組関連のキーワードが流れてくるのですが、今年はものの見事に静かな様子でした。ビートたけし(70)扮するキャラクターの『火薬田ドン』がトレンドワードでやや話題になったくらい(笑)。いわゆる“はりつき型”で番組を追っていく視聴者が、例年ほどいなかったのでしょう。特に注目するポイントが少なかったとも言われています」(同・記者)
結果的には歴代ワースト1位の座は避けることができたものの、全体的に地味な印象という声が多い今回の放送は、どうやらテレビ業界関係者にとっても印象の薄いものであったのだという。
■フジテレビ改革で番組終了も検討?
「むしろ今回は、『24時間テレビ』(日本テレビ系)が高視聴率を叩きだしたため、こちらの方に注目が集まっていたといか。今年の『24時間テレビ』は、当日にランナーが発表されるなど、生放送を活かした様々な仕掛けもありました。また、ネットも巻き込むようなやり方も功を奏したのではないかなど、企画の面でもテレビマンにとって良い刺激となったようです。一方今回の『27時間テレビ』に関しては、テレビ関係者の間でもネットや視聴者の反応同様に、批判もなく称賛もなくという感じのようですね。放送を見てないというスタッフも多いとか」(芸能関係者)
フジテレビでは、6月に社長に就任した宮内正喜新社長(73)によって、局内をはじめ番組編成でも大きな改革が行われている。関係者曰く、今回の結果はどうあれ『27時間テレビ』も今後、フジテレビ改革の争点の一つとして、しばらくテコ入れが行われることになるのだという。
「10月クールからの放送は、3割近い番組が改編されることが伝えられています。今回の『27時間テレビ』も、今後の継続をはかるための指標になっていたことは確かでしょう。今は実験期間という感じでしょうから、これから様々なやり方を試すことになるでしょうね。それでも無理だと判断した場合、あと数年で番組そのものが終了してしまう可能性も考えられます」(同・関係者)
少しずつ変化していく様子を見せている『27時間テレビ』とフジテレビだが、その変化が悪変にならないことを願うばかりだ。
- 文・佐々木浩司(ささき・こうじ)
- ※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。