北朝鮮「日本人拉致40年」の新証言!(1)「儲け話」で誘い出し… (2/2ページ)
妹が失踪し、置き去りにされた子供を育てることに手いっぱいで、突き止めようにも、その後の足取りがまったくわからない。そんな状況が10年ぐらい続いたんです」
80年1月には産経新聞が、福井県の地村保志さん、濱本富貴惠さんらが失踪した複数の事案を初めて関連づけ、
〈アベック3組ナゾの蒸発外国情報機関が関与?〉
と一面で報じたが、事件の“黒幕”が浮上するのは88年3月のことだった。
「一連のアベック行方不明事犯、恐らくは北朝鮮による拉致の疑いが十分濃厚でございます」
当時の国家公安委員長の梶山静六氏が国会でこう発言し、時の政府が北朝鮮の関与を初めて認めたのだ。飯塚氏が事の真相にたどりついたのも、この頃だという。
「87年に逮捕された北朝鮮の工作員・金賢姫の証言から、『田口八重子は北朝鮮に拉致された女性である』ことが特定されました。当初は『そんなことはないだろう。信じられない』と思っていたけれども、事実関係を整理すると認めざるをえない。そんな状況でした」