70人以上の中国人観光客が消えた?日本が報じない行方不明事件の真実
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こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。
2017年9月12日、中国・浙江省杭州市に所在する旅行会社が、自社の日本観光ツアーに参加した70人以上の中国人が行方不明になったとホームページ上で発表しました。
■日本側を不当に貶める中国の旅行会社
旅行会社の報告によると、観光ツアーは広東省の広州市から出発したそうです。今回の事態を受け、旅行会社は日本の査証規則に則り日本大使館に一人あたり10万元(約170万円)、総計700万元(1.2億円弱)の罰金を支払いましたが、その際「上海の日本総領事館が査証(ビザ)の審査レベルを10倍にした」と中国のネット民がデマ情報を流しました。
その後、ただちに日本総領事館側がホームページ上で否定したのですが、その後旅行会社の関係者数人が、以前から不正行為が実施されていることを暴露しました。
近年、日本国内における中国人に対するビザ申請の条件は簡易化されており、中国の悪質な旅行会社はビザ審査用の偽装資料を作成するというサービスを行っています。そのため、現在の日本には多くの中国人不法滞在者が存在します。中国国内は地域によってビザ審査制度の基準が異なり、広州市は在広州日本大使館が審査する際に、一人あたり10万元を行政に預ける必要がある一方(帰国後に返還される)、杭州市は預り金なしで審査可能です。
行方不明になったと報道された観光客たちは、おそらく不法滞在を目的として杭州市の旅行ツアーに参加した連中で、現在は日本国内に潜伏していると思います。彼らは日本に存在する中国人犯罪組織とあらかじめ内通している可能性があり、目的は経済問題や環境汚染で崩壊する一方の中国からの脱出。あるいは日本にサイバー攻撃を仕掛けるために人民解放軍から派遣されたスパイ部隊か、日本に工作を仕掛ける工作員かもしれません。なお、杭州市のビザ審査は上海市の日本領事館が管轄しているため、今回の問題は日本側にも責任の一端があります。
今回の例を受け、中国のネット上には
「(観光客たちは)日本に潜んで苦難な日本人民を解放するつもりか?(人民解放軍を表すニュアンス)」
「この事件を日本側は報道しなかった」
などと、問題を皮肉ったり、
「私は旅行会社の従業員です。今回は人数が多かったため大問題になりましたが、実はこのような行方不明事件は日常茶飯事です。このような大人数が行方不明になったため、旅行業界は大きな打撃を受けました」
と、中国の旅行業界の異常性を批判する意見が寄せられました。
今回の場合とは異なり、中国人側に不法滞在の意思がなくても、旅行会社側が利益目的で偽装ビザを渡す場合もあります。現在の中国には正規のビザ申請代行会社が数多く存在するため、本来ならばこのような事態は回避できるはずですが、悪徳会社は日本領事館に提出せずに割安で偽造ビザを作成するため、結果多くの顧客が利用します。事実を知らずに偽造ビザを使用して日本に入国しようとした中国人は空港の入国管理局で入国を拒否された挙句、「不法入国者」としてブラックリストに記載されるという不幸を味わう羽目になります。
このような現状を受け、
「(上述の問題から)日本観光旅行のビザを申請中だが、急に審査基準が厳しくなった」
「ビザ申請を厳しくしないと、我々は日本観光時に奇異な目で見られる」
「悪徳ビザ申請会社には注意しなければ、下手すれば犯罪者扱いされる」
といった意見が中国のネット上に寄せられています。
今回のような問題が発生するなど、日本の外国人に対する入国審査の基準は緩すぎると思います。日本の観光庁は「爆買い」による外貨獲得が目的なのか、中国人観光客を積極的に受け入れているようです。しかし、犯罪防止のために、僕はビザ申請基準の厳格化や偽造ビザを判断するための検査員の育成、人工知能探知機の設置と、アナログ面、デジタル面の両方を強化することを提案します。
著者プロフィール
漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。