日本のマスコミは中国レベル?安倍首相のTBS出演時に露呈した”偏向報道の実態”
こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。
2017年9月25日、衆議院解散・それに伴う総選挙を受け、安倍晋三首相(63)が『NEWS23』(TBS系)に出演しました。番組内では司会進行を務める星浩キャスター(62)と雨宮塔子アナウンサー(46)が、安倍晋三首相に対し矢継ぎ早に質問を繰り返し、放送中にテレビ局側からの指示と思わしき雑音が入るハプニングがありました。
■テレビ局の意見に追従する報道人
動画サイトなどで放送時の雑音を確認すると、「二人でモリカケ」と話しているように聞こえ、星キャスターが耳に取り付けていたイヤホンが外れていたため、音が漏れたと推測されます。ニュースキャスターやアナウンサーは時事を把握し、それを自分なりに解釈・判断して人々に伝えるのが目的であるはずです。しかし推測が正しければ、『NEWS23』の二人はテレビ局側に指示されるままに質問を行っていたということになり、これが事実ならば、二人は報道人として失格だと思います。
普段、僕はTBSの報道番組をよく視聴しているのですが、安倍首相に関する報道が行われる際、ほぼ一貫して批判的な主張が行われ、雇用率の増加や外交の成功などの業績が取り上げられる機会はほとんどありません。TBSは安倍政権批判というより安倍首相個人に対して誹謗中傷を行っているような印象すら受けます。
例えば安倍総理が衆議院解散を発表した際、TBSの報道番組は「大儀なき解散」、「モリカケ問題の隠蔽」と一斉に批判しました。ですが、今回のケースは、野党にとっては政権奪還のチャンスであり、安倍政権反対派にとっては、むしろ好都合なことではないでしょうか。
以前、僕はTBSの「日本で活躍している在日中国人50人の本音」というテーマのバラエティ番組から出演依頼を受けたことがあるのですが、出演用に作成した原稿に対して、「今回の出演は見送り」と返答されて出演が取りやめになった経緯を持ちます。
神道由来の表現性の自由度の高さ、アジア最高の科学技術の高さなど、日本を賛美した点、あるいは親日思想を持たない外国人に帰化を許可すべきではないという意見が「極右的」と判断されたのかもしれませんが、僕は自分の考えを素直に述べただけです。事実、同時に日本人の免疫力の弱さや、戦後の自虐史観教育の影響による自信の喪失など、日本の悪い面も並列して原稿に記述しました。
番組が放送された際、50人の在日中国人出演者の「本音」をまとめたという名目のもと、「在日中国人は必ずしも日本のルールを守る必要ない」という、いわゆる「在日外国人の多様性を尊重する」といったリベラル思想に基づいた暴論がとなえられました。
番組の最後には、著名な反日思想を持つ韓国人大学教授・金慶珠氏が登場して、彼女の主張と一致すると無理やり結論づけられました。その後、中国国内のSNS「微博」で、大半の中国国民が「こんな奴らが中国人を代表する資格はない、日本のルールを守りたいと考える中国人も数多く存在する」と、中国人の総意を勝手に代弁したTBSに対し激怒する意見を寄せました。
そして番組に出演した李小牧氏(民進党員・57)が慌てて報道サイト『ニューズウィーク』上でコラムを発表し、「これはTBSの勝手な動画編集の結果だ!」と局を批判しました。TBSに限らず、同じ人物が「一般人」としてニュース番組のインタビューに複数出演するなど、日本の全てのテレビ局が偏向、捏造的な報道を日常的に行っています。
共産党政府が独裁的な体制を敷く中国では、当然、偏向報道が行われています。17年8月に民主活動家の劉暁波氏が死去した後、未亡人の劉霞氏が送別式の直後から行方不明となりました。劉一家と親交があり同じく民主活動家の胡佳氏によると、劉暁波氏の葬儀後、劉霞夫人は政府の国家法案により強制的に連行され、住所不明の郊外に連れ出されたそうです。
17年8月22日、中国の機関テレビ『CCTV』は劉霞夫人が移転先で友人と楽しく談笑している様子を放送しましたが、動画に注視すると、「次のセリフ」という声がかすかに聞こえます。おそらく友人など存在せず、劉霞夫人はテレビ局側が用意した原稿を無理やり読まされていたのでしょう。中国の民主活動家たちの話によると、撮影者は国家保安から派遣された人物だそうです。これはNEWS23で行われた指示とほぼ同様の行為です。
民主主義国家である日本は、当然中立的なマスコミ報道が行われていると訪日前の僕は想像していたのですが、日本で暮らすようになってそれが誤りであることに気がつきました。マスコミの体質を改善し偏向的な報道を禁止することは、今後の日本の必須課題だと思います。
著者プロフィール
漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。