評価される社会人になるには? 入社前に知っておきたい、「学校」と「会社」での評価の違い

フレッシャーズ



入社したら仕事で成果を挙げ、上司や先輩から評価される社会人になりたいと考えている内定者は多いでしょう。しかし、「会社」で評価される人材は、今までの学生時代とは基準が異なってきます。では、社会人として信頼を得て活躍するにはいったいどのような評価基準を満たすことが求められるのでしょうか。今回は、世界4大会計事務所の1つであるDeloitteで12年間コンサルティング業務に従事し、その後多くの企業の現場でコンサルティング活動を行ってきた安達 裕哉さんに、社会に出る前に知っておきたい「学校」と「会社」での評価の違いについてお伺いしました。



今回は「学校」と「会社」での評価の違いについて、ある企業のインターンに参加した学生が抱いた素朴な疑問に対する人事の回答をもとに説明しようと思います。

学生がインターンとして働きながら抱いた疑問はこんなものでした。
「インターンをしたことで、この会社の業務内容はなんとなくイメージがつきました。でも、特に人事とか評価については想像がつきません。きれいごとはたくさん聞きますが、ぶっちゃけどうなのかって思います」

人事の人はしばらく考えてから、「本音の話をすると、学校における評価とは大きく5つの点が違います」と言い、次のような話をしたそうです。

1.評価の尺度が「勉強の成績」から「貢献度」に変わる

学校の成績は、勉強さえすれば1人でも上げられますよね。でも会社においては成績ではなく、あなたの「会社への貢献度」が見られています。貢献度は「成果」をまわりが「認めて」はじめて貢献したとみなされます。ですから会社では、自分1人の力では評価を上げられません。上司や先輩、同僚から見てわかるかたちで実績を残す必要があります。

2.「みんな平等」ではなくなる

学校では、先生は生徒を一応公平に見ますよね。でも、会社の人は基本的に、「自分が仕事をする上でメリットがあるかどうか」で物事を判断します。同じチームの上司や先輩が相手なら、そのチームにとってあなたの行った業務や発言がよい効果を与えたかどうかで評価が決まります。チームに貢献できる人はより評価され、上司や先輩からも手厚いバックアップを得られるでしょう。

3.「評価軸が1つでわかりやすい」から「評価軸が複数で、わかりにくい」に変わる

学校や受験は、テストの成績がすべてですし、なにをすれば評価されるかがわかりやすかったですよね。でも、会社は違います。評価軸は明示されているものもありますが、暗黙のものも数多くあります。「何をすれば評価されるか」がはっきりと示されず、自分で答えを探さなければいけない場合もあるでしょう。

4.「ルールを守る人の評価が高い」から「ルールをつくる人の評価が高い」に変わる

学校はルールを守る人がほめられたと思いますが、会社では「みんなが納得できるルールをつくること」が重要です。言われたことに従うだけではなく、上司や先輩も含めてうまく人を動かすことのできる人になる必要があります。

5.「短期評価」から「長期評価」に変わる

学校はせいぜい3年、長くても6年程度で卒業ですが、会社は3年経ってようやく独り立ちというレベルです。なんといっても定年まで働くとすれば、働く期間は30年、40年ですからね。そういう意味では、どんな大学に通ったかは、入り口がちょっと違う、という程度の差です。

ここまでに紹介した内容を踏まえて、「会社」で評価される人間の特徴を端的にまとめると、次のようになります。

1 自らの「貢献度」をまわりに理解してもらうこと
2 上司や先輩、同じチームの仲間にとって「メリットのある人物」になること
3 あいまいな「評価軸」を正しく理解すること
4 みんなが納得するルールをつくること
5 そして、その4つを長きにわたってやり続けること

これらを実践していくには、「コミュニケーション能力」が大きく問われます。いわば、社会人として働くということは、いかにコミュニケーションのスキルを身につけ、磨いていくか、ということでもあります。そして、そのスキルの高さは、あなたの仕事を通した成長を示すバロメーターにもなるのです。

文・安達 裕哉
1975年東京都生まれ。筑波大学環境科学研究科修了。世界4大会計事務所の1つである、Deloitteに入社し、12年間コンサルティングに従事。在職中、社内ベンチャーであるトーマツイノベーション株式会社の立ち上げに参画し、東京支社長、大阪支社長を歴任。大企業、中小企業あわせて1000社以上を訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をする。その後、起業して、仕事、マネジメントに関するメディア「Books&Apps」(読者数150万人、月間PV数200万)を運営する一方で、企業の現場でコンサル ティング活動を行う。


『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」は どう身につければいいのか?』http://www.njg.co.jp/book/9784534055170/
コミュニケーション能力とは何か、どう身につければいいのか? 1000社以上を訪問し、8000人以上のビジネスパーソンとともに仕事をし、150万人の琴線に触れた人気サイトBooks&Appsを運営する著者がその答えや暗黙ルールを明らかにします。


※この記事は、『仕事で必要な「本当のコミュニケーション能力」はどう身につければいいのか?』のP51~56の内容をもとに、就活生の読者向けに再編集したものです。

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