ストレスで発症?バラ色の発疹が特徴の“ジベルバラ色粃糠疹”とは

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皆さんは、ジベルバラ色粃糠疹(じべるばらいろひこうしん)という病気をご存知でしょうか?患部がバラ色のようになることから、この病名がつけられたそうです。



あまり聞き慣れない病気ですが、今月15日、ダイアモンド☆ユカイさんがブログで、奥様がストレスによりジベルバラ色粃糠疹を再発されたことを報告され、ネットでも話題になりました。(参考)



今回は、ジベルバラ色粃糠疹の原因・症状・治療法について、医師の井上先生に分かりやすく解説をしてもらいました。






ジベルバラ色粃糠疹の原因 

ウイルス


まだまだはっきりとした原因は不明ですが、最近は以下との関連も指摘されています。



・ヒトヘルペスウイルスの6型、7型などのウイルスによる感染


ストレス


・免疫低下




ジベルバラ色粃糠疹とストレスの関係性

ストレス


ジベルバラ色粃糠疹とストレスの関係性はまだまだ解明されておりません。



ただ、ウイルス感染に至る前段階として、ストレスや免疫不全によって発症するのではないかとも言われております。



さらにアレルギーや自己免疫的な機序も関係しているのではないかと言われており、ストレスを溜めすぎるとこの機序が乱れて発症につながる可能性も示唆されております。




ジベルバラ色粃糠疹の症状 

ジベルバラ色粃糠疹


皮疹と痒みが主な症状になり、約6割の人に特徴的な皮疹の形態と経過が認められます。



時には、始めに皮疹ができる前に、微熱鼻水が出るといった風邪っぽい症状を引き起こすこともあります。



初期症状

ジベルバラ色粃糠疹の症状は、始めに出る皮疹をヘラルドパッチと呼びます。背中の中心に、落屑(皮膚表面の角質がはげ落ちる状態)を伴った直径が2~5cm程度のやや大きめな卵型の赤っぽい皮疹が1個できます。



7~10日後

急に体の抹消の方向に小さめの1~2cmの卵型の赤っぽい皮疹が増えていきます。



再発の可能性は?

一度発症すると、再発はほとんどありません。ただし、ストレスなどから免疫低下な状態が続くと、再発することもあります。




ジベルバラ色粃糠疹の好発年齢、好発部位 

背中


好発年齢・時期 

発症は10~30歳代に多く、春と秋に多く発症します。



好発部位

背中での発症が多く、クリスマスツリーのように皮疹が体幹部から末梢側へ広がることも特徴的です。ただし、手のひらや頭部などの日光がよくあたる部位に症状は現れません。 


  



ジベルバラ色粃糠疹の治療法 

塗り薬


受診科目

皮膚科を受診してください。



検査内容 

特別な検査はなく、経過を含む詳細な問診と視診が全てになってきます。



治療内容

塗り薬がメインになります。ただ、少し痒みを伴うことがあるので、それに対して痒み止めの飲み薬を併用することがあります。大半は痕も残らずキレイに治ります。



治療期間 

1~3カ月で自然治癒します。



薬 

ステロイドの塗り薬と痒み止めとして抗ヒスタミン薬の内服が主になります。 




ジベルバラ色粃糠疹の予防方法 

睡眠


原因が100%解明された訳ではありませんが、ストレスや免疫低下が発症させるといった報告もあるので、そのあたりは気を付けた方がよいでしょう。しっかりとした睡眠と食事は基本的な予防となります。




最後に井上先生から一言 

皮膚科


万が一発症しても、人から人に感染することはないので、特別にお風呂やタオルを他人と別にする必要はありません。



ただし、このような症状を認めても、安易に自分でジベルバラ色粃糠疹と決めつけることはしないで下さい。実際は違う疾患から皮膚症状を認めることも多々ありますので、症状を認めたら早期に皮膚科受診をしてください。


【監修:医師 井上 智介】
プロフィール)
島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び臨床研修を修了する。
平成26年からは精神科を中心とした病院にて様々な患者さんと向き合い、その傍らで一部上場企業の産業医としても勤務している。
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