秋津壽男“どっち?”の健康学「ストレスで悪化するやっかいな皮膚の病気。アトピーと帯状疱疹ではどっちが深刻?」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

3週間から1カ月ほどで治りますが、気をつけてほしいことがいくつかあります。一つには帯状疱疹で出た水ぶくれの汁が目に入るとヘルペス性角膜炎を起こして失明する危険性があること。さらに大量のウイルスが血液内に入り、脳にまで及ぶとヘルペス性脳炎やヘルペス性髄膜炎を起こす場合があります。意識障害を起こし、最悪の場合は命に関わることもあるのです。

 仮に助かった場合でも、ヘルペス性脳炎の後遺症は神経痛やてんかん、健忘症、記憶障害、人格変化など多岐にわたります。

 こうした危険性を踏まえると、帯状疱疹のほうがアトピーより深刻な症状が起こりうるということです。

 ある保育士さんは、子供と接すると「帯状疱疹にかかりにくくなる」と語っていましたが、医学的根拠があります。実は、定期的に水疱瘡の子と接することで体内に水疱瘡のウイルスが取り込まれ、結果として免疫細胞が増えるという話でした。つまり予防法として、増殖力が弱い水疱瘡ウイルスを体の中に取り込むことで免疫を活性化させます。結果的に、水疱瘡にかかりにくくなるのです。

 ヘルペスと結核は免疫力が低下すると発症しやすくなる病気です。何よりストレスをためるのは体に最もよくないので、上手に気分転換するよう、ふだんから心がけてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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