トモさん、笑う、語る。「プレー中に聞こえるのはふたつの声だけ」 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

ジェイミーさん(ジョセフ ヘッドコーチ)も、コーチのトニー・ブラウンさんも、いい指導者。信じてついていけば、きっとうまくいく」

 6月のアイルランド戦ではともに戦った仲間たちへの思いも熱かった。

 代表復帰への思いについては、「僕はもうおじいちゃんだから」(36歳)とあらためて否定した。

 若い頃とは違い、疲労からの回復に長く時間がかかる。代表に参加するとなれば、長い期間家族と離れなければならない。いまの自分には無理だ。

 ラグビーのキャリアを終えたらニュージーランドに戻り、自分の牧場を持ちたいと話した。父も牧場で競走馬のトレーナーをやっている。だから馬は自分にとって特別。トップリーグが再開する12月3日のサントリー戦は熊本でおこなわれるが、「初めて行く場所だから楽しみだけど、馬刺しは食べられないよ」と言った。

「そのサントリー戦はタフな戦いになると思うけど頑張る。あちらはジャパンにも選手が参加しているから、ライナーズはしっかり準備して戦いたい。新しく加わったナイジェル・アーウォン(WTB)は、すごく攻撃力がある選手だから楽しみにしておいて」

 ライナーズファンを笑顔にさせた。

 これまでを振り返り、初めてワールドカップに出場した2007年大会のフィジー戦、「歴史作るのは誰よ?」とFWを鼓舞した2015年大会の南アフリカ戦、神戸製鋼を倒したトップリーグの試合(2010年、2011年と連勝!)が深く印象に残っていると話したトモさんは、プレー中は集中してスタンドの声は聞こえないと言ったが、不思議なことがあると言った。

「昔から、父の声だけは、大勢の声援の中でも聞き取れたんですよ。そしていまは、モリさんの声だけは分かる」

 ライナーズのSH森雄祐のオカンで、いつも突き抜ける声で応援する由紀子さん。その甲高いボイスはいつも選手たちを元気にしてくれる。そのお礼の気持ちをトークの中にまぶし、会場を沸かせた。

 トモさん、そんなところが、たくさんの人に愛されるんだよなあ。

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