森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 どうなる石油価格 (2/2ページ)

週刊実話

米国は、平時は石油の輸入が輸出を上回っているが、シェールオイル生産で積み上げた在庫を吐き出せば、短期的には輸出超過が十分可能だ。米国のシェールオイルの生産コストは、1バレル40ドル程度と言われているから、いまの60ドル程度の相場で売れば、大儲けができる。
 もちろん、トランプ大統領がそれを狙って、中東危機を煽っているとは断言できないが、北朝鮮問題でも、危機を煽ることで、日本や韓国に米国製の兵器を大量に買わせることに成功した。だから、中東危機が、米国の利益になることを知っている可能性は、十分あるのではないだろうか。

 ただ、石油価格の高騰は、ガソリンや灯油だけでなく、電気代から、農産物、水産物の価格にまで波及するので、今後の中東情勢の行方には、十分な注意が必要だろう。

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