ワタの目にも涙。専大、3年ぶり1部復帰! 拓大は立正大と引き分けて残留。 (2/3ページ)

ラグビーリパブリック

ラストプレーは、立正大がPKを右タッチに蹴り出した後のラインアウトだった。

 拓大陣でのスローイン。しかし、そのボールは防御側の手に入る。拓大LO糊谷隼が外に蹴り出し、フルタイムのホイッスルが鳴った。

 負けなかったのに1部復帰を逃した立正大のCTB木村主将は、試合終了直後こそうっすらと涙を浮かべたが、仲間の前に行くと、笑顔になって呼びかけた。

「この1年、どこより(練習を)やって来たつもりだった。でも、足りんかった」

 ひと息ついて、続けた。

「悔しいけど、きょうの試合を見てくれた人たちが、みんな、よくやったって言ってくれている。だから下を向くな。胸を張ろう」

 やり切った表情でピッチをあとにした。

 第2試合で1部復帰を決めた専大は、フィジカル強化に取り組んだ成果を出して勝利を手にした。FWのフロントファイブは全員100キロを超え、両LOは198センチと188センチ。接点で優位に立った勝者は、前半を圧倒した。

 輝いたのはSO郡司健吾だ。自身も184センチ、90キロと堂々の体躯を誇る司令塔は、強力FWを楯に自由に動き、自ら3トライ。チームに全5トライを呼び、前半を33-7で終えた。最高の40分だった。

 しかし後半は一転、1部で戦ってきた関東学大の意地に押されることになる。1分、7分、15分と3連続トライを奪われ、リードは瞬く間に7点となったのだ(33-26)。

 受け身になったその時間帯。伝統の緑×白ジャージーを着たFL松土治樹主将は、インゴールの円陣で「やってきたことをやり抜こう」とチームメートに話し続けた。弱気になるな、と。

 自分たちを取り戻した。

 専大は18分にPGで差を広げた後、25分にはWTB池田大芽が右中間に駆け込む。FB松浦祐太のコンバージョンも決まり、43-26とふたたび突き放した。

 それでも諦めぬ関東学大に、31分、38分とトライを奪われてまたも5点差に迫られるも、最後は渾身のアタックを仕掛ける相手に接点で勝ち、PKを得て終了。自分たちの強みを出して、好ゲームを締め括った。

 試合後の歓喜の時間。胴上げされた村田亙監督の目には涙が浮かんでいた。

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