元国連捜査官が見た北朝鮮「ブラックホール」(1)パナマで見つかった大量兵器 (2/2ページ)

アサ芸プラス

これが北朝鮮による史上最大規模の武器密輸事件として知られることになります」

 古川氏ら専門家パネルは清川江号から押収した通信記録などをもとに、捜査を開始。隠匿工作を指揮した主犯として浮上したのが、北朝鮮最大の海運会社「オーシャン・マリタイム・マネジメント社(以下、OMM)」だったのである。

「OMMは多数の貨物船を所有し運航する北朝鮮最大手の海運会社で、その前身は『朝鮮東海海運会社』。この会社は96年に、化学兵器の原材料として輸出規制されたフッ化ナトリウムとフッ化水素水を日本国内の企業と結託し、日本から不正調達。日本政府は09年と12年の2度にわたり、国連安保理に対して制裁対象指定を勧告したんですが、中ロの反対で実現しないという経緯があった。OMMは表向きは中国・大連をはじめ世界各国に拠点を持つグローバル企業ですが、裏では外交官として北朝鮮大使館に赴任しながらOMMの現地代表者としてビジネスを采配する者がいたり、地元の中小企業の従業員になりすまし、あたかも外国人であるかのようにふるまいながら武器密輸活動を行う者もいる、いわくつきの企業だったんです」

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