自然のいたずらだとはわかっていても...どうみてもヒトガタ、巨人の幽霊が歩いて見える影に遭遇(フランス)
雲の上で謎の人型物体集団が目撃されるなど、高所では地上では見られない興味深い現象が見られたりするのだが、海外にてとらえどころのない巨大な幽霊を連想させる動画が話題になっている。
これは今年1月末に見晴らしの良いフランスの砂丘を訪れた写真家が、カメラではめったに記録できないブロッケン現象をとらえたもの。
たとえ自然現象だとわかっていてもヒトガタに見える。おそろしく長身な幽霊が闊歩しながら大陸を横断するのを眺めているような不思議な気分になってしまうのだ。
Dune du Pilat: Incroyable spectre de Brocken au dessus des nuages
・砂丘で遭遇した巨人はブロッケン現象によるもの
今年1月28日、フランスにあるピラ砂丘(標高100m以上)の頂上を歩いていたフロリアン・クレメントさんは、雲まで伸びる神秘的な人影に遭遇した。
image credit:youtube
これはブロッケン現象と呼ばれる自然現象で、観察者の影が適切な密度の雲に投影されて生じる。また虹のようなハロを引き起こすことでも知られる。
こうした現象はたいてい山地などでみられるが、ヨーロッパで最も標高が高く、最も広いこの砂丘では2年前にも同様の現象が見られたという。
一面が見渡せるピラ砂丘
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・自分のステップについてくる巨大な存在
その写真はクレメントさんも見たことがあるが、直接見るのは今回が初めてだった。自分の足取りを追う神秘的な存在をカメラにおさめた彼は、以下のように語っている。
「霧の層に落ちた影がありえないほど広がって円形の虹に囲まれていたんだ。飛行機のパイロットならおなじみかもしれないね」
クレメントさんのフェイスブックより
・ブロッケン山で登山者を脅かした現象
ブロッケン現象は「ブロッケンのお化け」とも呼ばれている。ドイツのブロッケン山を登頂した登山家たちが何世紀にもわたってこの現象に遭遇して度肝を抜かれたからだ。
影が巨大になるのは、観察者の目から様々な距離にある水滴に観察者自身の影が映るからだ。そのため奥行きの認識に混乱が生じる。
幽霊のような影の形は視点のせいで三角形になることが多く、雲の層が動いているため影がいきなり動くように見える。
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この現象は1780年にヨハン・シルバーシュラグが初めて論文にしたもので、のちの1808年に文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが発表した戯曲「ファウスト第一部」では、ブロッケン山が魔女が宴を開く場所として登場する。
References:mirror / connexionfrance / youtubeなど /written by D/ edited by parumo