日本の証券市場の歴史を総まとめした『証券市場誕生!』 日本取引所グループに編纂の裏側を聞く(前編) (4/4ページ)
特に東京株式取引所の設立間もなくの頃を調べていると、ありとあらゆる人脈がこの「糸平」に結び付いていることを知って、恐れ入りました。
――「糸平」とは一体どんな人物なんでしょうか。石田:まさに日本の近代的資本主義をつくり上げた一人ですね。今で言うと、日本で最も早くビットコイン投資をはじめた人と例えられるかもしれません。
――すごく分かりやすい例ですね。石田:本当にそんな感覚なんです。もう一人、当時のキーパーソンとして今村清之助という人物もいるんですが、彼も含めて今、ICO(Initial Coin Offering)をやっている人たちと非常によく似ている。公債の売買が始まると真っ先に手を出していますし、今の日本にはあまりいないタイプでしょうね。そういう人たちが私たちの市場を作ってきたという事実は、伝えておかないといけないと思っています。
(後編に続く)