「元」女子高生社長・椎木里佳が女子高生社長ラノベの執筆者に抗議、無事返り討ちに遭う|文◎やまもといちろう (2/2ページ)
もともと椎木さんはいろいろと面倒を起こし続けて話題になっているわけですが、過去に当連載でも取り上げ、また、椎木さんの事業では鳴り物入りで宣伝したアプリが「パクリ疑惑」を指摘されて炎上し取り下げるという以降、これといったビジネスになっていないように見えるのが印象的です。
大人の影が見え隠れ?”女子高生社長”椎木里佳の稀有な炎上体質|やまもといちろうコラム
http://dailynewsonline.jp/article/1169384/
女子高生社長、サイトのパクリを認め謝罪
https://www.j-cast.com/2016/02/11258198.html
“美人女子高生社長”椎木里佳、持て囃したテレビの罪
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/03280600/
それでも若さと美貌でメディアに出て本を出しネットではビッグマウスを並べて頑張っているので、ウェブ社会の大事なカロリー源として珍重されているわけですが、本当にこれはパクリなのかという懸念があります。「女子高生社長、○○を学ぶ」というタイトルと縦書きの特徴的なフォントの装丁こそインスパイアされたものかもしれませんが、本の中身が盗用されたわけでもなさそうです。しかもこの「女子高生社長、ファイナンスを学ぶ」は「道具としてのファイナンス」など好著で知られる石野雄一さんの執筆によるもので、ネットでは石野さんの本のほうが椎木さんより好評のようです。
どうも本当にパクリで訴えるということであれば裁判所が判断したり、あるいは版元のSBクリエイティブとの話し合いで和解したりもするのでしょうが、パクリかそうでないかは別として、この手のコンテンツ商売では常識的には「事前に相手に抗議文を送るなどして水面下でコンタクトを取り、意向を聞く」のが普通です。いきなりTwitterに書き込んで騒動を起こす必要もないわけですね。
引用した新潮の記事もさることながら、この椎木さんが本当にきちんと経営している人ならば備わっているはずの経営者としての常識はどこに行ったのかと思いますし、いまはもう女子高生社長ですらない椎木さんが過去の著書の権利を強く主張してこんな揉め事で話題になるよりは、「私に何かできることはありませんか」ぐらいの話ができていたら椎木さんも名声に相応しい実績と評価を得られるのになあと残念に思う次第であります。
著者プロフィール
ブロガー/個人投資家
文・やまもといちろう
※慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数。