かわいいだけじゃない。千葉雄大29歳が秘めた熱意 (2/3ページ)
それに何か抵抗があるわけではないが、役者として損をする部分もあると語る。
「クールな役のときも、かわいいという先入観を持たれちゃうのは損ですよね。あとは『かわいい感じでお願いします』と言われることが続いたとき、ちょっと飽きてしまって(笑)。そのときは、求められることにただ応えるだけだったんです。だけど今は、求めている以上のことを返せばなんとでもやりようがある。自分の芝居次第だと思うようになりました」
新しい挑戦をするときの緊張感が、やりがいにつながっているかわいいだけじゃ終わらない。29歳になった千葉雄大さんは、そんな自身との共通点を持つ役に挑戦した。世界的に有名なベストセラー絵本『ピーターラビット』の実写映画版、主人公・ピーターラビットの日本語吹き替えだった。
「出演が決まったときはすごくうれしかったです。声優のお仕事は初めてではないんですけど、その中でもこの作品はピーターラビットがずっと喋っているので、出番が多い分なかなか大変でした。たとえば前向きになろうとしながらも切ない気持ちを感じているシーンとか。声で繊細な感情表現をするのは難しいなと、改めて思いましたね」
ピーターラビットは、かわいいように見えて実は野生的で、挑戦意欲にあふれる一面も持つ。千葉さんも同じく、今回の仕事では声の演技に全力で取り組んだ。
「一音ちがっただけでも、感情がまったくちがうように捉えられてしまうこともあるんです。まずは一度思いっきり演じてから、監督のアドバイスでちょっと引いてみたりして。細かく調整することの大切さを覚えました」
そのときの様子を思い出しながら、真剣に、だけど楽しそうに話す千葉雄大さん。声だけとはいえ“演じる楽しさ”はドラマや舞台と変わらないのだろう。最後に、俳優という仕事の魅力について聞いてみた。
「すごく刺激がある仕事だと思います。何事も慣れると“こなす”感覚になってしまうけど、この仕事は初めてのことがたくさんあるので。