秋津壽男“どっち?”の健康学「虚血性心不全は男女どちらが発症しやすい?薬ではなく生活習慣改善で防ぐことができる」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

1時間歩きなさい、と言われたら30分の徒歩運動から始めるだけでも、症状はよくなります。タバコが原因で健康を害しているなら、禁煙をするのが大前提です。基本は「よいことをする」よりも「悪いことを避ける」こと。散歩をするよりも禁煙するほうが、何十倍も寿命が延びます。

 生活習慣病にかかった患者は「病院へ行って薬を飲めば病気は治る」「いい薬を飲むことで病気は治る」と信じていますが、これは大きな考え違いです。

 そもそも日本人は必要のない薬を飲みすぎています。医師は患者に治療法を説明するよりも、薬を飲ませることで診療時間を短くさせています。患者に説明をするほど診療時間は長くなりますし、患者とのトラブルも招きかねません。黙って薬を出すことで医師の仕事は楽になるわけです。

 患者側にも問題があります。病院が薬を出さないと「薬もくれなかった」とこぼしますが、患者は何のために通院するのか。薬をもらうためではありません。病気を治してもらうためです。不必要な薬を飲むほど体によけいな負担をかけ、別の症状が現れる危険性もあります。複数の薬を飲むほど人体への負担も大きくなります。

 動脈硬化が進み、脳梗塞や狭心症になった場合は薬も必要ですが、生活習慣病が気になる人は、後戻りできなくなる前に生活習慣を改善してください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「虚血性心不全は男女どちらが発症しやすい?薬ではなく生活習慣改善で防ぐことができる」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 5/31号虚血性心不全“どっち?”の健康学生活習慣病秋津壽男カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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