「ワークレートが高いと言われるようになるなんて」。福岡堅樹の充実。 (2/2ページ)
スピードを期待されているので、あそこは戻らないと」
SHの位置から自分で持ち出し、前へ出るスペシャルプレーもあった。サンウルブズでも試していたプレーだ。そのオプションでパスアウトし、仲間を走らせることも。
いたるところに背番号11がいた。
何本でもトップスピードで走る。得点機を作り、失点を減らす。
ワークレートの高さでチームへの貢献度はトップクラスだ。
「自分がワークレートが高い選手と言われるようになるなんて」
以前は、「1本全力で走れば終わり」だったと笑う。
「セブンズ(7人制日本代表)での経験などで変わっていったと思います」と言う。
GPSでの測定値が進化を示す。
走行中のハイスピードの割合が大学時代は7パーセント。それが、いまは10数パーセントに増え、練習時は20パーセントを超える。
「チームでのトレーニングの成果もあるしし、そこに自分なりにやっていることも加わって変わってきました」
求められる役割、期待に100パーセント応えようと思ったら、それくらいの運動量は必要だった。
チームの進化を感じている。
用意していたプレーが設計通りにいかなくても良い結果を出せるのは、コミュニケーションが充実しているからだ。一つひとつのプレーの精度も増した。
そんな中にいるから自身が輝けていると自覚する。
多くのシーンで自分が絡むプランをチームが持っていることに、「期待されているのは嬉しい」と語る。
現在イングランド代表を率いるエディー・ジョーンズ監督はジャパンの指揮を執っていたとき、「ケンキはブライアン・ハバナになれる(元南アフリカ代表WTB/テストマッチ通算67トライ)」と言った。
現在テストマッチ通算トライは17。
ハバナがピッチを去ったいま、世界が注目するスピードスターへの道を突き進む。