不妊と関連するかもしれない、まったく新しい構造の精子が発見される(米研究) (2/3ページ)
中心小体の三次元構造 image credit:wikipedia/creativecommons
「異型中心小体の形成と機能における異常は、原因不明の不妊となり、治療方法がない夫婦の根底にあるものかもしれません」とレイス氏は述べた。
「それはまた初期の妊娠損失や胎児の発育不全においても役割を果たしているかもしれません」
・最初から精子の中にあった第二の中心小体
機能する中心体を作るには2つの中心小体が必要だが、これまで精子が卵子に与える中心小体は1つだけで、受精後に複製されるのだと考えられていた。
「母親の卵子は中心小体を提供せず、父親の精子で特定されているものは1つだけだったため、受精卵の2つめの中心小体がどこから来るのか知りたいと考えていました」
「これまで見過ごされてきたのは、構造とタンパク質の組成という点で、既知の中心小体とはまるで異なっていることが原因でした」とレイス氏。
第二の中心小体は重複されるのではなく、最初からそこにあったのだ。
だが変わった見た目だったために誰も気が付かなかった。
異型中心小体は、タンパク質のすべての補足物の小さなセットを保有しており、これによって受精後に完全かつ機能する中心小体を作り出すことができる。