『西郷どん』鈴木亮平の“おっさんずキス”は狙った演出?

日刊大衆

『西郷どん』鈴木亮平の“おっさんずキス”は狙った演出?

 先月までの奄美大島編に続き、本土に戻った西郷吉之助(鈴木亮平/35)がまたしても島流しになってしまった。毎度、窮地に立たされる姿にハラハラさせられる大河ドラマ西郷どん』(NHK)は、いよいよ第24回を迎え、前半戦を折り返そうとしている。ここでは6月24日の放送を振り返ってみよう。

 吉之助は国父の島津久光(青木崇高/38)に背き、徳之島へ島流しの刑となった。そこに奄美大島から愛加那(二階堂ふみ/23)たちがやってくる。その頃、江戸では久光の尽力もあって一橋慶喜(松田翔太/32)が将軍後見職の地位につくなど、政情が一変。しかし慶喜は久光を田舎もの扱いし、吉之助を連れてくるよう要求する。その後、吉之助は徳之島から沖永良部島への島流しとなり、今度は牢に入れられてしまう。吉之助はそんな中、薩摩からの手紙で大久保一蔵(瑛太/35)が久光と距離を近くして周囲の反感を買っていることを知り、さらには自分が極刑同然の扱いに処せられたことに気づく。そして食事を拒んで栄養失調となった吉之助は、意識を失ってしまい……という展開だった。

 この放送回、ネット上でもっとも話題になったのは、石橋蓮司(76)が演じる川口雪篷と吉之助のキスシーンだった。意識を失うまでに憔悴した吉之助に、同じく罪人として島に流された雪篷が口移しで水を飲ませるというシリアスな場面だったのだが、このシーンには「これはおっさんずキス」「初めてのキスシーンがおじさんとは!」などとネット上が大騒ぎ。このことを面白おかしく扱うネット記事も出た。SNSをチェックしてみると『西郷どん』を見たことがない人の反応も見られ、大ヒットしたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)効果で、多くの人が『西郷どん』に注目することとなったのだ。

■『プロフェッショナル 仕事の流儀』のパクリも?

 この演出も含め『西郷どん』は、物語のストーリーとは直接関係ないところでニュースになることが多い。たとえばこの放送では黒のバックに「守らにゃならんものが、まだある」と白文字だけを置き、吉之助の気持ちを描くシーンがあった。これにもSNSでは「プロフェッショナルかよ?」とツッコミの声が。どこまで意図したのかは分からないが、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)を思わせる演出だったのは確かだ。

 もっとも画期的だったのは4月1日の放送回だろう。この日は通常のドラマ放送をやめて、鈴木亮平と島津斉彬を演じた渡辺謙(58)のドキュメンタリーと対談からなる特番を放送したのだ。『西郷どん』の一部としてドキュメンタリーを流したことには賛否両論があったようだが、大河ドラマ初の試みとしてニュースとなり、それまでドラマを見ていなかった人を取り込むことに貢献した。

『西郷どん』には時代考証がおかしい、など多方面からツッコミが見られてきたが、少なくても“ニュースになる”ドラマとしては成功している。もちろん今回の雪篷とのシーンが話題作り目的だったわけではないだろうが、これだけ注目されたのだからNHKとしては万々歳だろう。これまでも大河の演出は話題になることは多かったが、『西郷どん』はもっともニュース化されるドラマといってもよい。今後、どんなシーンが“ニュースになる”のか、それを楽しみに見るのも『西郷どん』を楽しむ方法の一つではないだろうか。(半澤則吉)

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