まるで外骨格に覆われたような近未来的スタイルのホテル「モーフィアス」がマカオにオープン
外骨格というとつい強化スーツ的なイメージが先行してしまうわけだが、マカオにて繊細なフレームを取り入れた世界初の外骨格型高層ホテルがオープンし話題になっている。
「モーフィアス」と名づけられたこのホテルは、マカオのリゾートを代表するホテルで今年6月中旬に開業した。
透かし編みのような外骨格に覆われた独特のデザイン。このホテルは才能を惜しまれつつ世を去った建築家、ザハ・ハディッドの設計を実現したものだ。
Morpheus Hotel City of Dreams Macau
・リゾート地区の主役となる外骨格型高層ホテル
このホテルはマカオ南部に位置するコタイ地区にある。そこは観光都市として発展中の地域で、カジノや劇場、ショッピングモール、リゾート施設などでにぎわっている。
ひときわ目を引くこの建物は、コタイ地区が力を入れる統合型リゾート「シティ・オブドリームズ・マカオの主力となる新しい宿泊施設だ。
優雅なカーブを描くラティス状の覆いが印象深いホテルは40階建てで、世界初の外骨格型高層建築としても名高い。
・故人となった建築家の設計が実現
このホテルは2016年に世を去った建築家のザハ・ハディッドが最後に手がけた設計の一つでもある。
才能豊かなザハ・ハディッドの急逝は悔やまれるものの、そのデザインは彼女が設立していたザハ・ハディッド・アーキテクツ社に引き継がれ、およそ11億ドル(1208億円)もの建設費により現実のものとなった。
外骨格の外部構造は主に中国の翡翠彫刻をヒントにしており、そこに流線型の曲線を組み合わせて内と外のデザインを決めたという。
ザハ・ハディッド・アーキテクツ社によると、透かし彫りを思わせる外骨格が、垂直に伸びたような形のホテルに共用スペースを生みつつ、都市空間との仕切りも兼ねているという。
・伝統的に縛られない新しいデザイン
この外骨格の一部はホテルの3階部分でつながり中庭を形成している。ホテルの中空には複数の通路があり、12基のガラスのエレベーターが見事な眺めを作っている。
ホテルには770もの客室があり、会議室やイベント施設、娯楽室、3つのレストラン、スパ、屋内プール、裏庭などもある。
モーフィアスは、外骨格により壁や柱を支えられながら途切れることのない広々とした内装を手に入れたのだ。
ザハ・ハディッド・アーキテクツ社のスタッフであり、ホテルの計画責任者でもあるヴィヴィアーナ・マセッテラは「従来の伝統にとらわれないデザインは非常に興味深いものです」と語っている。
image credit:inhabitat
References:inhabitatなど /written by D/ edited by parumo
追記(2018/7/18): 本文の一部を修正して再送します