山田孝之×菅田将暉『dele』“神回”に見る日本ドラマの可能性 (2/2ページ)

日刊大衆

『dele』のような1話完結のドラマは、今のトレンドだ。今年に入ってからも木村拓哉(45)主演で話題になった『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)や、石原さとみ(31)主演で数々のドラマ賞を受賞した『アンナチュラル』など、1話完結のミステリードラマは高視聴率を連発している。1話完結の場合、ドラマがスタートした後からでも追いやすいし見逃してもついていけるのだが、それも人気がある理由のひとつだろう。『dele』も、その点で“見やすい”ドラマだったことが、評価につながったといえる。

■『dele』は海外ドラマに比肩する出来!

 しかし『dele』のウリは、“見にくさ”にもあった。過去と現在が交錯する重厚感あるストーリーは、集中して見ていないとついていけないほど複雑だ。筆者は『dele』を見るうちにアメリカで7シリーズも制作され、2016年にWOWOWで日本版も放送されたドラマ『コールドケース』シリーズを思い出した。

 これは今年、日本でのシーズン2の放送が決定しているほど好評を博したサスペンスドラマだが、こちらも1話ごとにゲストが登場し、「過去に起こった事件」を追ううちに物語が複雑化していくのが特徴だ。映像の美しさも『dele』に共通している。日本でも海外ドラマを普通に視聴できる今、連ドラは海外ドラマの持つ「複雑さ」や「重厚感」を求められるようになってきているが、『dele』は深夜ドラマにしてそのハードルを軽々と飛び越えていた。深夜ドラマ、そして日本のサスペンスドラマの可能性を感じさせた作品だといえよう。この傑作ドラマが最終回でどんなラストを迎えるのか、ゆっくりと見守りたいものだ。(ドラマライター・半澤則吉)

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