ひとつの夢、叶った。岡野季樹、藤田純平(日立一高→中大)の友情。 (3/3ページ)

ラグビーリパブリック

そんなとき、一緒にやろうと誘ってくれたのが、岡野らラグビー部の仲間たちだった。

 ともに汗を流した高校時代。大学でもラグビーをやりたかった。中大への推薦入学が決まった岡野の話を聞いて、自分もそこを目指すことにした。

 一般入試で法学部に合格。場所を日立から八王子に移して、ふたりの青春は継続することになった。

「ひとつの夢が叶いました」

 藤田も岡野と同じ言葉を口にした。

 この日の流経大戦を「(試合の)入りは良かったと思いますが、あのアタック、ディフェンスを80分続けられるようにならないと」と振り返った後、「岡野とは、やっぱりやりやすい」と言った。

「試合中、チームが沈んだような雰囲気になることもありますが、声を出すと(岡野は)必ず応えてくれる」

 藤田も入学直後は周囲の仲間との力量差に面喰らったが、「(同じクラブに)入ったからには負けたくない」と努力を重ね、3年生になってAチームでの出場機会を得た。自分がチームを代表してプレーできるようになったのも嬉しいが、日立の地をともに駆けていた同期も揃ってプレーできて、その喜びはさらに大きくなった。

 日立一高ラグビー部が全国レベルにあったことは、藤田も入部するまで知らなかった。でも、そんな歴史を知れば気持ちが引き締まったし、いま、後輩たちが県の上位に進出するようになった事実は自分たちの力の一部にもなっている。

 クラブの歴史を紡ぐとは、そういうことだ。

「毎年お正月におこなわれる(日立一高ラグビー部の)蹴り初めに行くと、OBの方たちが喜んでくれます。中大でやってんだってな、と」

 この先、ふたりが揃ってピッチに立つことは増えていくだろう。

 次の夢は、揃って勝利の瞬間を迎えることか。

 そのたびに感じる感激が、またその次の目標へ走る力になる。

 

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