語呂合わせで名歌が変貌!思わずクスッと笑ってしまう百人一首のパロディ作品を紹介 (2/3ページ)
秋の田の かりほの庵の 歌がるた とりそこなって 雪は降りつつ
(『狂歌百人一首』/天保14(1843)年)
こちらも上の句を活かしたもじりのパターンですが、面白いのは最後の句に光孝天皇の歌の最後の句「雪は降りつつ」が入れられていることです。
光孝天皇といえば、後継者のいない陽成天皇の突然の退位により、当時としては高齢の50代半ばにして天皇に即位した天皇ですが、彼の即位は壬申の乱で天武天皇の系統に移ってしまった皇統が天智天皇系に戻ったことを意味していたと言われています。
百人一首に歌を取り上げられた天皇にはある共通点があった:平安時代編このパロディ歌からは天智天皇の歌と光孝天皇の歌が紛らわしく、かるた取りでよく取り違えられていたであろうことが伺えますが、そのことはまさに「どちらも天皇、それも天智系の天皇の歌である」ということを表しているのです。
上の句だけを変えることで、歌全体が大変身する例もさて、上記2つは元歌の上の句を活かした例ですが、下の句を活かしたものもあります。