歯の治療が頭痛や肩コリの原因となる? 咬み合わせの名医がたどりついた「舌」の重要性 (3/5ページ)

新刊JP

それが、ある歯科医師の先生の講習会に行ったのがきっかけで、「大切なのは“歯”というより“舌”ではないのか?」と思えるようになったのです。これは非常に幸運なことでした。

――その講習会ではどんな気付きがあったのですか?

安藤:その先生の何気ない一言です。「歯の尖りを丸めるといいんですよ」と言われ、これは「舌」ではないかと気が付いたのです。その先生は「舌が大事」とはおっしゃってはいませんでしたけれど。
その日にピーンとひらめくものがあって、その後は、想像を膨らませながら、実地に咬み合わせ治療を施術しつつ、あごと筋肉と歯の理論、「安藤メソッド」をまとめていきました。

まず我々のあごを簡単に説明すると、上のあごは頭蓋骨にくっついているので動きません。噛むという行為は、下のあごが動いて成り立っているのです。その下あごは、4つの噛むための筋肉で、プランプランになっていて、まるでブランコです。つまり、上下のあごは離れていて、下のあごは筋肉で吊り下げられている状態なのです。

歯科大学では、「あごの位置は歯で決まる」と教えます。
しかし、本当でしょうか? 今これを読んでいる皆さんは、歯を食いしばっていますか?
答えは「No!」ですね。

我々は普段、上下の歯は2ミリくらい空いています。つまり、今、宙づりのときのあごの位置が何で決まるのか?
「歯」ではなく、実はそれが「舌」だったのです。驚くべきことに歯科の歴史上、このことは問われてこなかったんですよ。

また、「舌」は、“見過ごされがちな器官”でもあります。
歯科医師は「歯」は診ていますが、「舌」は見ていない。他の科の医師の先生方も、舌はあまり見ていない。なぜか?

舌は健康だからです。健康な人は、人が誰も気を使ってくれないし、つい見過ごされるじゃないですか。舌は良く動くし、血管の塊で温度が高いから、あまり病気にならないんです。
最近は、舌ガンも増えてきて、昔よりは注意をして診るようになりましたが、普段から舌に着目する医療の領域というのは、あまりないんですね。

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