トヨタ自動車で6戦6トライの岡田優輝、トップリーグも幼なじみと一緒。 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

 当の本人は「自分もそういうところを目指してやっているところがある」としながら、最後は気を引き締める。

「まずは一戦、一戦、大事にする。次の試合にコンディションを合わせたい」

 身長181センチ、体重93キロ。攻守で渋く光る。

 10月13日、東京・秩父宮ラグビー場でのトップリーグ第6節では、喜連を欠くNTTコムと対戦。前半20分、38分、後半11分と3度インゴールを割り、38-36で勝った。

 特筆すべきは、トライまでの過程だ。1本目ではパスの出し手の背後から飛び出すような動きを繰り出し、2本目では接点とパスの出し手との間に駆け込んでスペースを攻略した。防御網の死角を効率的に突くべく、球をもらう前からアンテナを張っていた。

 ボールをもらった瞬間を「そこ」と表現し、得点場面を振り返った。

「そこに自分が顔を出せた、そこでプレーができたというのはポジティブに捉えています。ボールを持っていない時にどれだけ動けるか、だと思います。WTBなので、視野を広げてどこにスペースがあるのかが見える」

 後半30分頃には危機管理能力も示す。味方がハーフ線付近右のラインアウトでミスを犯すや、相手の蹴り込んできたキックに反応。立っていた自陣10メートルエリア右から一気に同22メートルエリアに駆け戻り、転がる球を拾い上げる。迫りくるタックラーを次々とかわし、捕まった後も自軍ボールをキープ。ホワイト監督が、トライシーン以上にほめたたえたシーンだった。

「スペースのチェックをするのが自分の仕事。極めていきたいところではあります」

 手品の仕掛けに気づかなかったのをきっかけに、グラウンド上の機微に気づく選手に成長した岡田。今後も幼なじみとの対戦を心待ちにしながら、日本代表入りを狙う。

(文:向 風見也)
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