一度信じてしまった情報を訂正するのは難しい。だが繰り返して正しい情報を共有することで訂正可能となる(米研究) (2/2ページ)
そこにあった俗説は、たとえば「赤ちゃんは泣くことで肺を発達させる」といった、世間一般に受け入れられているが、実は本当ではないものだ。そして、この俗説の正しい関連情報として、「肺炎は子供の第一位の死因」がペアになる。
実験ではまず被験者に「ネットでよく見られるもの」と説明した上で、文章を注意して読んでもらい、それぞれの内容をどのくらい信じられるか1(まったく信じられない)から7(とても信じられる)で評価してもらった。
次いで、ある人が先ほどの文章の内容を思い出しながら話すところを録音した音声を聴いてもらった。
被験者はこれを聴いて、音声が文章の内容を正しく語っているどうか答える。なお各被験者は2つのカテゴリーに関する文章を正しく語った音声を2つ聴いた。
それから被験者にそのカテゴリーの最初に読んだ文章の内容を思い出してもらうよう指示。最後に、最初の文章をもう一度見せて、正確さや科学的な裏付けについて再度評価してもらった。
・正しさと関係なく皆が知っていて記憶に残る情報をあてにする
この結果、他人が共有していた情報を耳にした被験者は、自分の意見を変えることが明らかになった。
特に、録音された音声がぱっと簡単に思い出していた場合ほど、その情報の信憑性に影響を与えていた。
話し手がすぐに思い出せたものほど、信憑性が高いと評価されたのだ。反対に、忘れてしまっていた部分が多いほど、評価は低いものになった。これはもともとの文章の正しさとは関係がなかった。
実験でのサンプル数は、アメリカ全国を十分に代表するものではないことに注意が必要だが、研究者はもっと大きなサンプルでも同じ結果を再現できると考えている。
将来的には、特に間違った情報を信じやすい健康などの分野に関心のある指導者にとって、重要な指針にもなるかもしない。
via:princeton/ written by hiroching / edited by parumo