矢沢永吉と長渕剛、反逆の二大カリスマ「男気感動秘話」栄光と挫折 (4/5ページ)
■テレビドラマで俳優として評価
それとは逆に、長渕は1983年放映のテレビドラマ『家族ゲーム』を皮切りに、『とんぼ』、続く『しゃぼん玉』で俳優として評価を高めていた。ミュージシャンとしても、主演するドラマに主題歌を提供することで、ミリオンセラーを連発し、飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
長渕の活躍もあって、“ミュージシャン主演ドラマ”という流れができたのか、1994年には秋元康が企画したテレビドラマ『アリよさらば』に矢沢が主演し、世間を驚かせた。かつての「不良のカリスマ」というイメージを覆す不器用な教師役により、世間のイメージが一新されたのである。長渕は人情肌のアウトロー、矢沢はまっとうな社会人というふうに、それぞれ逆の方向にイメージが変わっていったことが興味深い。
■桑田佳祐とあわや喧嘩の騒動
ミュージシャンのドラマ出演については、桑田佳祐と長渕の間でひと悶着あった。桑田が1994年に発表した『すべての歌に懺悔しな』の歌詞が、長渕か矢沢を揶揄したものだと噂になったのだ。これに対し、2人の反応は対照的だった。以前から桑田と因縁があった長渕は激昂し、一触即発の事態となったが、矢沢は桑田の謝罪に対し、「お互いクリエイターなんだから気にしてないよ。それより、こんな騒ぎになって桑田君は大丈夫か」と、桑田を気遣うコメントを寄せたのである。
■不倫報道、薬物による逮捕劇も
90年代半ばのこの時期は、長渕にとって試練のときだった。