球団買収に失敗!千葉ロッテが「存続」を勝ち取った裏事情

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球団買収に失敗!千葉ロッテが「存続」を勝ち取った裏事情

 球界再編ということは、なさそうである。

 大手ファッション通販サイト『ZOZO TOWN』を運営する前澤友作社長がプロ野球チーム保有の夢を「いったん断念することにしました」と報告した(12月11日)。今年7月、自らのツイッターで「プロ野球球団を持ちたい」と”願望”を語っていた。千葉ロッテマリーンズの本拠地球場のネーミングライツ権をすでに購入していること、そして、同社長が郷里・千葉県への強い愛着が持っていることもあって、各メディア、ファンは「ロッテ球団を買収か!?」と大騒ぎとなった。

 月旅行のための開発費50億ドル(約5600億円)の支援、アーティストら9人を同行させるための旅費約9億ドルの支出の公約。今年9月の壮大な夢の発表もあっただけに、プロ野球球団の買収は時間の問題とも目されていた。ケタ違いのスケールからしても、今回の“挫折”には疑問が残る。

 パ・リーグに詳しいプロ野球解説者がこう言う。

 「来季、ロッテ球団は『ロッテオリオンズ』誕生から数えて、50周年のメモリアルを迎えます。関連企業や地元企業には、2、3年前から『大々的にイベントを仕掛けていく』と伝えていました。だから、球団買収の噂を向けられたとき、球団関係者が激昂したんですよ」

 前澤社長は意味シンなこともツイートしていた。
<複数の球団オーナー様や野球関係者様との面会を通し、球団保有の可能性を探ってきましたが、近々での球団保有はいったん断念することにしました>

 球団買収の話を持ちかけ、断られていたようだ。
「前澤氏に対し、12球団が申し合わせて無下にしたような情報も交錯しています」(球界関係者)

 12球団の関係者には失礼な話になるが、資金力豊富で野球好き、地元愛の強い起業家が参画してくれれば、プロ野球界は今以上に盛り上がるだろう。NPBの関係者も分かっていたはずだ。球団オーナーに迎えられないとしても、プロ野球興行を盛り上げるための協力関係は築けたはずだが…。

 「プロ野球界に新規参入するにあたって、読売新聞主筆・渡辺恒雄氏に挨拶したのかどうかが重要になるとも言われています。渡辺氏は巨人オーナーの職を退いて久しいですが、存在感は今も健在なので」(前出・同)

 渡辺氏は92歳とご高齢だ。政財界にも広いネットワークを持ち、オーナー時代にはドラフト制度、フリーエージェント、国際試合などの改革案も牽引してきた。酔った勢いでの失言、暴言もあったが、今も強い権限持っているとする話はマンザラでもないようだ。

 NPB関係者によれば、渡辺氏は野球協約を完全に暗記しているという。オーナー会議で強いイニシアティブを握っていたのは、「野球協約の…」と、具体的に論じることができたからだそうだ。後にも先にも野球協約を暗記していたオーナーは渡辺氏だけだという。

「プロ野球の世界は閉鎖的で、新参者を受け入れにくい傾向にあります。04年の球界再編時、IT企業やインターネット関連の事業者が『新しい企画』を訴えましたが、聞いている側はオジイチャンたちばかりでした」(ベテラン記者)

 前澤氏は「シーズンオフ後に球界へ提案するためのプランを作ります」とも綴っていた(直後に「シーズン後」に修正)が、閉鎖的な世界の息苦しさを痛感していたのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)

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