秋津壽男“どっち?”の健康学「健康維持の分かれ道となる50代と60代。塩分、酒、タバコなど生活習慣の意識的改善を」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

また、アルコール量に注意が必要です。血管の収縮反応を高めたり、心拍を早くする交感神経を活発にするので、量を減らすべきでしょう。言うまでもありませんが、タバコに含まれるニコチンが交感神経を刺激したり、一酸化炭素が血液中の酸素を不足させ、血管や心臓に負担をかけるので、50代という年齢を機に禁煙をするべきでしょう。

 40代まで大病とは無縁だった人でも、健康を意識した生活改善をしなければ、必ず不調を来します。日々の運動なども心がけてください。

 これからの時期は寒くなりますが、冬に寒い環境で暮らすよりも、暖かい部屋に住むほうが筋力も低下せず、転倒などをしにくくなります。下半身の衰えも目立つ時期なので、住環境も意識したいところです。

 対して60代はリタイア後の「余生」を楽しむ時期で、ストレスも50代よりは低くなります。老いの実感も顕著になりますが、60代を迎えて大病していない人は、生き方や健康法が間違っていなかったとも言えるでしょう。

 60代半ばを過ぎると、逆に高タンパク群(1日の総摂取カロリーに占めるタンパク質摂取20%以上)が、ガンになる確率や死亡率を低くします。積極的に肉を食べるなど、食生活を切り替えてください。ただし高血圧予防は重要ですので、塩分やカロリーは控えめにしてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「健康維持の分かれ道となる50代と60代。塩分、酒、タバコなど生活習慣の意識的改善を」」のページです。デイリーニュースオンラインは、“どっち?”の健康学秋津壽男塩分アルコールタバコカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る