齋藤孝「脱・リア王症候群」超入門(2)人格形成が昭和時代だから (2/3ページ)
そういうアウトな言葉をどう言い換えたらいいのか、ボキャブラリーを増やして、言葉の言い換え力をつけるのです。つまり『語彙力』を鍛えるのです。
そしてそのコツは一言で言えば、常に前向き変換することです。部下を指導するときに、不機嫌な感じで、「それはないなあ」とか言っても、萎縮するだけで良くなることはない。欠点を指摘するよりも、良いところを「これはいいね、ここを伸ばしてみて」と、ポジティブに変換して言うことが大事なんです。
全米オープンで優勝した大坂なおみのサーシャコーチは、そのお手本です。大坂はネガティブに落ち込みがちですが、コーチはいつも機嫌が良く、「大丈夫だよ」とか「君はもうできてるじゃないか」とか言って励ましてますよね。
【2】上機嫌になる身体をつくろう
「リア王」にならないためには、明るい気持ちで人と接する、そのための身体も大事です。
身体の内側から笑顔をつくるためには、まず軽く3~4回ジャンプをして、肩を揺すって身体をほぐすといい。跳ぶたびに息をフッフッと吐くのがポイント。そうして身体を柔らかくすると、気分も柔らかくなります。さらに、そのときに温かい飲み物を飲むといい。
【3】説教をしない、若い人を評価する
若い人を評価するのが苦手な中高年が多いのですが、それはなぜかと言えば、若い人に嫉妬心があるからです。雄(おす)としての魅力が衰えてきたことを、無意識に自覚して、若い人をついライバル視して接してしまうのです。そこから解放される練習メニューとしては、テレビなどに出てくる若手のタレントを覚えて、褒める練習をしてみるといい。おじさんになると、つい「あんなの、どこがいいの」なんてネガティブに言いがち。すると若い人をバカにしているように見えるし、嫉妬心がまる見えで、ほんとにみっともない。そして、人を褒めるときには、「いいねえ、やるなあ」とか言いながら軽く拍手をして身体で褒めるというのもいいでしょう。
【4】ケチるな、気前のいいおじさんになる
おじさんたちが、好かれるようになるためには、やっぱり気前の良さでカバーするしかありません。