「私、失敗しませんから」と豪語した天才職人に、雄略天皇がしかけたセクハラ大作戦とは? (2/3ページ)
ならば、これならどうじゃ?」
すると雄略天皇は采女たちに服を脱がせ、その場で相撲を取らせました。
女相撲の様子(イメージ)。天明五1785年「鎌倉山女相撲濫觴」より。
なんと、白昼堂々のセクハラで、眞根の集中力を掻き乱す作戦です。当の采女たちは恥ずかしかったでしょうが、命令とあればやむをえません。かくて組んづほぐれつ、素っ裸の女性たちが大取り組み。そんなものを見せつけられては、流石の眞根も手元が狂ってしまいます。
結局、眞根は斧の刃先を石に当ててしまい、刃が欠けてしまいました。
雄略天皇の作戦勝ち?と言ったところでしょうが、そんな事をして一体誰が何の得をするのか、いささか大人げなさすぎにも思います。
惜(あたら)しき 韋那部(ゐなべ)の匠……セクハラ作戦により、痛恨のミスを犯してしまった眞根を、いったい何か怨みでもあるのか、雄略天皇はしつこく責め立てます。
安達吟光「雄略天皇肖像」明治二十九1896年
「眞根よ。そなたは軽々しく『失敗しない』などと答えたが、それがどうして、このザマじゃ。これは朕(ちん。天皇陛下の一人称)に対する不敬である!」
【原文】「何處奴。不畏朕、用不貞心、妄輙輕答。」
として、家来の物部(もののべ。