あのかわいらしい鳥に一体何が?シジュウカラが他の鳥を襲い脳を食べていたことが確認される(英研究) (2/3ページ)
・巣穴不足によりシジュウカラに襲われるマダラヒラキ
イギリスやオランダの営巣地では、木々が非常に若く、巣作りに役立つ穴を開けるキツツキも少ない。このためマダラヒタキとシジュウカラが巣を作り、卵を産める場所が非常に限られている。
ボランティアや専門家が巣箱を設え、繁殖の手助けをしようと務めているが、繁殖シーズンの重なってしまったためにそれでも巣が足りていない。
このために後から渡ってきたマダラヒタキが巣穴に入ろうとすると、先にいたシジュウカラがマダラヒタキを襲い、脳を食べてしまうのだという。
2007~2016年に950個の巣箱から集めたデータによると、マダラヒタキ10羽中1羽がシジュウカラによって殺されていたそうだ。
シジュウカラ
・犠牲になるのはあぶれたオスなので生息数に影響はない
研究の筆頭著者であるイギリス・エディンバラ大学のジェルマー・サンプロニウス氏によると、マダラヒタキは長距離飛行に有利になるように、体が小さく軽く進化してきたという。
このため、空中でならシジュウカラと互角に渡り合えるものの、地上に降りてしまうと分が悪くなる。
一方、シジュウカラの方はマダラヒタキを食料源にしているようだ。可愛らしい姿とは裏腹に、シジュウカラは気性が荒く、このような攻撃的な行動は珍しいことではないという。
マダラヒタキにとっては不幸中の幸いであることに、犠牲になっているのは到着が遅れて、交尾する相手がいない、あぶれたオスであることが多いようだ。
そうしたオスはいずれにせよ子供を残さないことが多いため、今のところこの現象によってマダラヒタキの生息数に大きな影響が出るといったことはない。