NHK大河ドラマ『いだてん』も描かない「東京オリンピック1964年の激動ニッポン」 (4/5ページ)

日刊大衆

そんな状況が“土曜日の妻”たちの苛立ちを募らせ、文字通り、夫婦に水を差してしまったのだ。しかも、社宅や公団住宅などは2DK程度が多かったため、〈子供が中学生になったらどうするのかしら〉という“土曜日の妻”たちの苦悩が身につまされる。

■石原裕次郎の好きな女性のタイプは?

 そこで重宝されたのが「サカサクラゲ」だった。温泉マークがクラゲを逆さにしたように見えるためだが、連れ込み旅館の隠語となった。本誌が、かの石原裕次郎(29)のインタビュー(1月23日号)で、やたらと増えたサカサクラゲについて聞くと、裕次郎はタバコを持ち直して微笑み、〈必要があるから存在する。まあ、いいじゃないの、あったって〉とキッパリ。また、公衆便所が不足していたことから、〈酔っぱらったときの、こっそり立小便くらいは目をつぶってほしいな(中略)川柳にもあるよ。“よくぞ男に生まれける”なんてのが……〉と提言。

 その裕次郎が嫌いな女性のタイプが、〈やたらにおしゃべりな女〉と〈ストッキンキングのうしろの線がヒン曲がってる女〉。逆に好きなタイプを聞かれると、身を乗り出して〈内緒だけどネ。それはウチのカミさん(元女優の北原三枝)なんだ〉と、おノロケ告白してくれていた。

 この年に紫綬褒章を受賞したのが、落語界の重鎮、古今亭志ん生師匠(70)。『いだてん』ではビートたけしが演じており、ドラマの語り部(進行役)を務めている。

 本誌が11月19日号で、紫綬褒章を受賞することが決まった師匠を直撃すると、〈(紫綬褒章の受賞をお祝いすると)そうだってね。あたしもね、それ聞いて驚いてるんですよ〉と、まるで他人事のよう。〈(落語家なんて昔は)田舎へ行くてェと、ハナシカとカモシカを間違えやがって、鉄砲持って出て来たりしてね。いや本当のはなしなんですよ〉と、いきなり記者を笑わせた。

 そんなこんなで、庶民たちがたくましく生きていた64年ニッポン。最大のイベントは、10月10日に開幕した東京五輪だった。

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