楽天イーグルス、新応援曲が「ダサい」「前のほうが良い」と非難殺到 急な刷新の思惑とは
18日、東北楽天ゴールデンイーグルスが選手応援歌を刷新すると発表し、ファンから非難が殺到している。
球団によると、刷新の理由は「著作権などの問題」とのことで、私設応援団と協議を重ね、これまで使用していた応援歌を刷新するのだという。発表に併せ、東北楽天ゴールデンイーグルス公式サイトで新応援歌が公開された。
応援歌刷新については、16日に既にアナウンスされており、拒否反応が続出。この日開催された舞台上では、東北楽天ゴールデンイーグルス応援プロデューサーのジントシオ氏らが新曲を披露したが、突然「刷新」を伝えられたファンの動揺は激しく、応援を拒否する人が出るなど不満の声が上がっていた。
また、球団創設から応援を担当していた私設応援団についても「解体」の噂があり、非難殺到中。現在のところ私設応援団が、「解体させられたのか否か」については正式なアナウンスはされていないが、解散したと見る人もいる。
突然の「応援曲刷新」に、「なぜ刷新するのか」「意味がわからない」「前のほうが良かった」など、不満を訴えるイーグルスファンで溢れている状況だ。
今回の楽天球団が刷新の根拠とした「著作権」についても、異論が続出しており、楽天応援団が使用していた「青葉城恋唄」や「八木山ベニーランドテーマソング」などを応援曲として使用することについて、「著作権法違反にはあたらないのではないか」との声がある。穿った見方をするファンからは「楽天が応援曲を一括管理してCDを販売し収益を上げたいのではないか」との指摘も上がっている。
さらに、「新曲の出来」にも不満の声が。全体的に「オオオオ」や「打て」「ホームラン」というフレーズと選手名を組み合わせたものばかりだったため、プロデューサーのジントシオ氏に対し、「やっつけ仕事すぎる」「手抜き仕事」と不満が続出する。
ジントシオ氏は千葉ロッテマリーンズ応援曲もプロデュースしていただけに、「全部ロッテに聞こえる」という声もあった。ただし、新曲については決定から発表まで時間がなかった可能性もあるだけに、「ジントシオ氏を責めるのは酷」という声や、「急ごしらえでもなんとか形にしてくれたことを褒めるべき」「ジントシオ氏に責任はない。悪いのは球団」「決起集会で不満が出るのは目に見えていた。それでもステージに上がった彼に罪を着せるのはかわいそう」という擁護の声も出た。
また、オコエ瑠偉選手は自身のインスタライブで「応援歌気に入っているよ」などと発言しているほか、千葉ロッテも応援団の不祥事によって旧応援団が解体し、ジントシオ氏主導で応援歌が刷新され、現在は定着しているだけに「決まったことは仕方ない。時期が来れば慣れる」という声や、「チームそのものが好き。応援なんぞどうでもいい」「いっその事、鳴り物応援を排除してもらいたい」という意見もあった。
現在のプロ野球では、鳴り物応援を楽しみに来場するファンが多く、球団もファンサービスのツールとして考えている様子。あくまでも「私設応援団」ではあるのだが、公式サイトやオーロラビジョンに歌詞を出すなどしており、半ば公認状態となっている。
そんな応援団についてはトラブルも多く、千葉ロッテマリーンズや中日ドラゴンズなど、旧応援団が不祥事によって事実上の解体となっている。いずれも新応援団となった際、応援歌が刷新されているほか、阪神タイガースも曲を一新したことがある。刷新自体はさほど珍しいことではないと言っていいだろう。
しかし、楽天の私設応援団にトラブルなどの情報は入っておらず、特に必要性があったわけではないと思われることや、新規球団としてダントツの最下位に沈んだ苦難の時代から使用し続けた応援曲だけに、ファンは不満だった様子。
楽天球団は本拠地の楽天生命パーク宮城を完全キャッシュレス化する方針を示し物議を醸しており、相次ぐ改革を「改悪」と感じる人も多い。仙台では絶大な人気を誇っているが、それにあぐらをかいた「殿様商売」を続ければ、ファンは確実に離れていくことだろう。
文・櫻井哲夫