マインドコントロールできるサイボーグネズミが生み出される(中研究) (2/3ページ)
ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)
・脳と脳をつなぐブレインーブレイン・インターフェース
この技術が確立されたことで、経頭蓋磁気刺激(TMS)という方法を応用し、送信者の脳から受信者の脳へ信号を送るインターフェースを開発することが可能になった。
TMSでは、脳の特定の領域の上にかぶさるよう頭に磁気コイルを取り付け、そこで磁場パルスを発生させて、脳を刺激する。
たとえば運動皮質の上にTMSコイルを装着すれば、脳を刺激して勝手に体を動かしてしまうといった操作ができる。
つまり、ブレイン・ブレイン・インターフェース(BBI)で、ある脳と別の脳をつなげば、遠く離れた場所から他人の指先を動かしたりできるということだ。
これが初めて実証されたのは2015年のことである。
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・人間とラットの脳をつなぐ
今回の研究で目新しかったのは、人間の脳と動物の脳をつないでしまったという点だ。
浙江大学の研究チームは、「サイボーグ・ラット」(ちなみに、この名称は実際に研究チームが用いている呼び名だ)を作成するために、人間用の脳波キャップとラット用の極小電極を使って、人間とラットの脳を接続してしまった。
送信されてくる刺激シグナルを体の運動に関係付けるようラットを訓練してから、ブルートゥース経由で刺激シグナルを送信すると、ラットはその指令に従うようになった。