秋津壽男“どっち?”の健康学「体温35.5度と37度で健康リスクが高いのは?体調のひとつの目安として把握するのがよし」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

しかし、健康的に悪影響はないものの、疲れが取れにくい体質で低体温予備軍と言えるだけに、注意を払う必要があります。

 ちなみに36度5分の人の体温が1度下がると、免疫力は35%も低下して風邪や病気にかかりやすくなります。基礎代謝の低下により消化酵素が悪くなるため便が出にくくなり、体重が1~2キロ増えてしまいます。エネルギーの生産量も50%低くなるなど、健康面での危険性が多くなります。

「35~37度」の範囲外に目を向けると、37度5分以上は微熱、38度以上になると病気に伴う高熱となります。38度以上になった場合、インフルエンザや別の疾患が疑われますので、すぐに病院へ行ってください。

 逆に、34度までに下がると自発的に体を動かせなくなり、33度になると死に至ります。

 実際、人間の体は場所や部位によって体温が異なります。より正確な体温は体の中心部になるため、舌下もしくは肛門で測るのが好ましいでしょう。日本ではワキで測るのが主流ですが、本来の体温より数値が低くなります。また朝は体温が低く、夜は高くなる傾向にあり、より正確に体温を把握したい場合は、寝起き・午前・午後・就寝前の4回に分けて測ることをお勧めします。

 このように、体温は体の兆候を示すポイントではありますが、発熱をしない病気も少なくないので、体温はあくまで「一つの目安」と考えてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「体温35.5度と37度で健康リスクが高いのは?体調のひとつの目安として把握するのがよし」」のページです。デイリーニュースオンラインは、“どっち?”の健康学秋津壽男基礎代謝免疫力体温カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧